なぜ疲れてるのに眠れないのか
仕事が終わって、風呂に入って、ようやく布団に入っても、目が冴えて眠れない。そんな夜が何日も続いている。身体は確かに疲れているのに、頭の中だけはフル回転している。司法書士という職業は、日中の対面のやり取りだけでなく、夜になってからも「明日の予定」「今日のミス」「あの言い回しでよかったか」といった思考の波が押し寄せてくる。これじゃ疲れが取れるわけもない。
頭のスイッチだけが切れない夜
布団に入った瞬間、「あの書類、補正が必要だったんじゃないか」「あの依頼者のトーン、ちょっと怒ってたかも」といった思考が始まる。もう日付も変わっているのに、まるで会議中のように脳だけが働いている。元野球部のクセで、昔は「気合いで寝る」なんてこともできたが、今は無理だ。加齢と責任感の相乗効果で、眠気よりも不安が勝ってしまう。
業務終了後も終わらない「段取りの続き」
司法書士の仕事って、終業時間があってないようなもの。表向きには「17時まで」としているけど、その後にメールで来る問い合わせや、翌日の登記に向けた準備が頭から離れない。特に、登記完了後の通知を送るタイミングなんかがズレると「仕事が遅い」と言われることもあるから、寝る前にチェックしたくなってしまう。結局、心が休まる暇がない。
気を遣う人間関係が脳内で再生される
日中のやり取りの中で、自分では何気ないつもりだった言葉が、相手にどう伝わったか気になって仕方がない。たとえば、役所の担当者に少し強めに言ってしまったとか、依頼者に返答を急かされたときに無言になってしまったとか。そんな些細なことが頭の中で何度もリプレイされる。独身で話し相手も少ないから、余計に脳内会議が長引くんだと思う。
ストレスをリセットする方法が見つからない
寝る前にストレスをリセットできれば…と思って、動画を観たり、酒を少し飲んだりもした。けれど一時的に気が紛れるだけで、心の深いところには届かない。むしろそのまま朝まで引きずってしまって、翌朝には自己嫌悪が残ることもしばしばだ。「疲れているのに眠れない」って、実はとても消耗するループなんだと最近気づいた。
お酒もスマホも「気休め」に過ぎない
晩酌をすれば気分が軽くなる気がしていたけど、実際には浅い眠りになってしまって余計にしんどい。スマホを眺めていると、あっという間に時間が過ぎて、気づいたら1時、2時。次の日の朝が怖くなって、さらに眠れなくなる。「疲れを取るために寝たいのに、それができない」という矛盾に、精神的にも追い詰められていく。
趣味らしい趣味も時間が奪われると遠のく
昔は野球を観に行ったり、バッティングセンターに行ったりして気分転換していた。でも今は、事務所を離れる時間が惜しいというか、予定を入れるのすら億劫で、気がつけば何もしていない。趣味がなくなると、気分の切り替えもできなくなってしまって、眠りも浅くなるのだと感じている。
眠れない夜が続いた先に待つもの
眠れない夜が一晩だけならまだしも、これが連日になると本当に厄介だ。疲れが蓄積されていき、心身ともにすり減っていく。司法書士という立場はミスが許されない分、集中力の欠如は命取りになる。けれどその集中力を支える「睡眠」が確保できないなんて、本末転倒もいいところだ。
翌朝の体は鉛のように重たい
何度か目覚ましを止めて、やっとの思いで布団から出る。鏡を見ると、目の下にはクマ。背中はバキバキ。コーヒーを飲んで無理やりエンジンをかけるけど、午前中は何も頭に入ってこない。仕事の能率も悪くなり、午後にその分を取り返そうとして、結局また夜まで残業。悪循環のスパイラルにはまってしまう。
集中力が切れるとミスが増える
寝不足の日に限って、登記の内容を見落としたり、日付を間違えたりする。小さなミスでも、司法書士としての信頼に関わることが多いから怖い。しかもそのミスを修正するために、また頭を使うし、また眠れなくなる。完全に負のループ。
仕事へのやる気が消えていく感覚
やる気って、体力と心の余裕があってこそ生まれるものだと思う。どちらも削られていくと、「今日も仕事か…」という気分になる。依頼人には明るく対応してるつもりでも、内心は「はぁ、また印鑑もらいに行かなきゃ」とため息ばかりついている。
「寝ないとヤバい」がプレッシャーになる
「明日は朝から重要な案件がある。寝なきゃ…寝なきゃ…」と意識すればするほど、眠れなくなるという皮肉。布団の中で焦る気持ちばかりが募り、どんどん目が冴えてくる。気づけばもう3時。「また眠れなかった」と自己嫌悪に陥る。
眠れない自分を責める悪循環
「なんで俺だけ眠れないんだろう」と思ってしまう夜もある。他の同業者はどうしてるんだろう? 自分だけが不器用なんじゃないかと考えてしまう。責任感が強い性格も、こういうときには裏目に出る。
それでも朝は待ってくれない
どれだけ寝られなかったとしても、朝は容赦なくやってくる。そして予定は組まれているし、依頼者は時間通りに来る。寝ていようが起きていようが、仕事は動く。司法書士って、そんな職業なんだなと改めて実感する。
少しでも眠れるようになるために
完璧な解決策は見つかっていないけれど、少しずつ眠れる夜を増やす工夫はしている。無理に眠ろうとせず、「横になるだけでもいい」と思うことで、心のプレッシャーを和らげることが第一歩だった。
無理に寝ようとしない戦略
眠れなければ起きていてもいい、と開き直ってからは、逆に眠れることが増えた。読書や、静かな音楽を流すなど、リラックスを優先するようにしている。寝ることそのものを目的にしないことで、気持ちが軽くなった。
寝床を「作業部屋」にしない工夫
以前はベッドにパソコンを持ち込んでいたが、今はやめた。寝床は寝るための場所。メールやLINEの確認も控えるようにして、「ここでは何もしない」と決めることで、頭の切り替えができるようになった。
寝られなくても横になるだけでOKと決める
眠れない夜でも「横になって目を閉じているだけでも体は休まる」と自分に言い聞かせている。そうすると不思議と眠くなってくることもある。完璧な睡眠じゃなくていい。まずは「休む」ことにハードルを下げるのが大切だ。
司法書士としての生活習慣の見直し
無理のあるスケジュールを立てない、完璧主義を捨てる、そういう意識の変化も大事だ。全部を抱え込むのではなく、頼れるところは頼る。それもまた、一人事務所を続けるコツなのかもしれない。
「予定を詰め込みすぎない」を意識する
空き時間があると「この隙にあの依頼を進めよう」と詰め込みがちだったけれど、今はあえて何もしない時間を確保している。そうすることで、帰宅後の心の切り替えがしやすくなり、眠気にもつながりやすくなる。
事務員さんに少し頼る勇気
一人だけの職場に近い状況でも、事務員さんがいてくれるだけで、精神的に助けられている。全部を抱えず、簡単なチェックや電話応対だけでもお願いすることで、自分の心に少しだけ余裕が生まれる。
眠れない夜の向こう側にあるもの
眠れない夜はつらいけれど、そんな夜を経験してきたからこそ、人に優しくできる部分もある。司法書士という仕事は、他人の人生の節目に関わる仕事だからこそ、自分の心のケアも大切にしていきたいと思っている。
人はみんな一人で悩んでる
事務所を閉めたあと、ふと「俺だけが大変なのかな」と思うこともある。でも、きっとそれぞれが違う形で悩んでる。眠れない夜は孤独だけど、孤独を知っているからこそ、他人に寄り添える気もする。
同じように眠れず朝を迎えている人へ
この文章を読んでくれているあなたも、きっと眠れぬ夜を過ごしているのかもしれない。だからこそ伝えたい。「眠れない夜があっても、あなたがダメなんじゃない」と。眠れない夜に意味なんてないかもしれない。でも、その経験が誰かの役に立つ日がくるかもしれない。
弱音を言ってもいいと思える瞬間
「疲れた」「眠れない」「つらい」って、誰かに言うだけでも少し楽になる。司法書士という職業は、強くあれと求められることが多い。でも、たまには弱くてもいいじゃないか。そう思える夜が、少しずつ増えていけばいいと思う。