頭の中が仕事で埋め尽くされる日々

頭の中が仕事で埋め尽くされる日々

頭の中が仕事で埋め尽くされる日々

気づけば、朝目覚めた瞬間から寝るまでのあいだ、ずっと仕事のことばかり考えている。まるで頭の中を仕事に占領されているような感覚だ。司法書士という仕事柄、登記の期限や依頼者とのやり取り、法務局との細かいやり取りなど、気が抜けない。事務員を一人だけ雇っているとはいえ、結局のところ、責任は全部自分。地方の小さな事務所では、誰かに甘えることもできず、気を張り詰めたまま日々が過ぎていく。

朝目覚めた瞬間から仕事が始まっている気がする

目覚ましの音と同時に、頭に浮かぶのは「今日やるべき登記の件」。ベッドの中でスマホを開けば、メールやLINEに仕事の連絡がちらほら。ゆっくりコーヒーを飲む間もなく、返信を始めてしまう。気づけば朝食も適当に済ませ、頭の中は段取りと締切のことでいっぱいだ。通勤がない分、すぐに仕事に取りかかれるが、それが逆に「オンとオフ」の境目を曖昧にしてしまっているのかもしれない。

スマホを開けば依頼や確認の山

メール、LINE、SMS、果てはFacebookのメッセンジャーまで…。依頼者によって連絡手段がバラバラで、通知が鳴るたびに心拍数が上がる。返信を後回しにすると、忘れそうで怖い。結局、すぐに対応してしまう。これが悪循環で、「あの人はすぐに返事してくれる」と思われて、ますます連絡が増える。土日も夜もお構いなし。便利なはずのスマホが、いまや鎖のように感じる瞬間もある。

気づけば「おはよう」よりも「いつまでに対応?」の言葉

以前は「おはようございます」と始まっていた依頼者とのやりとりも、最近は開口一番「これ、いつまでにできますか?」になってきた気がする。人間関係が業務に飲み込まれていく感覚がある。こちらが丁寧に接していても、相手は仕事の結果だけを求めてくる。そんなやりとりに疲れて、つい「ありがとう」の一言がもらえるだけで嬉しくなってしまう自分がいる。

食事中も休憩中も気が休まらない

ラーメンをすすりながら、ふと「あの書類、送ったっけ?」と不安になり、慌てて確認。喫茶店でコーヒーを飲んでいても、頭の中では次の予定をシミュレーションしている。まるで頭のスイッチが切れない状態が続いている。これは決して「やる気がある」とか「仕事熱心」ということではなく、単純に、休むということが怖くなっているのだと思う。

ふとした瞬間に思い出す「あの登記の件」

休日の夕方、テレビを見ながらふと「あの名義変更、相続人の確認漏れがないか?」と気になってしまう。確認しなければ眠れなくなり、結局パソコンを立ち上げてしまう。「もうちょっと気楽に考えればいいのに」と他人には言えても、自分にはそれができない。登記にミスがあれば依頼者に迷惑がかかる。そんな恐怖が、常に心の中に居座っている。

事務員さんに頼めることと頼めないことの狭間で悩む

事務員さんには助けられている。細かい郵送や電話対応を任せられるだけでもありがたい。でも、最終確認や重要な判断はやはり自分がやるしかない。だからこそ、「ここは頼んでいいのか」「これは自分でやるべきか」と迷ってしまい、その迷いがまた頭の中に居座る。気が休まる暇がないとは、まさにこのことだと思う。

寝る前の一人反省会がつらい

布団に入っても、目を閉じると今日のやり残しや、対応のまずさが浮かんでくる。ミスがなかったか、依頼者の不満を生んでいないか。ぐるぐる考え始めたら止まらない。酒を飲んで寝つきを良くしようとすることもあるが、翌朝に後悔する。もう少し自分に優しくできたらいいのに、という思いとは裏腹に、反省ばかりが頭を占めてしまう。

もっと上手くできたんじゃないかという後悔

「あの場面、ああ言えばよかった」「あの説明、もっとわかりやすくできたかも」。過ぎたことを引きずるタイプだと自分でも思う。でも、司法書士の仕事は小さなミスが致命的になりかねない。だからこそ「後悔しないように」と思っても、やっぱりどこかで「反省」を抱えながら生きている。自己肯定感なんて育ちにくい職業だと痛感している。

誰にも愚痴を聞いてもらえない夜の孤独

独身で一人暮らし。仕事の愚痴を言う相手もいない。事務員さんには言えないし、友人はみんな別の世界で生きている。SNSで吐き出すには抵抗があるし、結局は布団の中でモヤモヤを反芻するだけ。こんな夜が続くと、「何のために働いているのか」さえ見えなくなってしまう。

同業者との何気ない会話に救われた

ある日、研修の場で話した同業の先生との立ち話が、妙に心に残っている。「うちも一人でやってるから、気持ちわかるよ」。その一言がどれだけありがたかったか。たった数分の会話でも、共通の悩みを共有できる相手がいるというだけで救われた。孤独ではなかった、とふと思えた瞬間だった。

「俺も一緒だよ」の一言で肩の力が抜ける

「登記、間に合わなかったことあるよ」「補正の連絡、嫌になるよなあ」——そんな言葉を聞いて、思わず「俺だけじゃなかった」とホッとする。同じ業界の中に、ちゃんと戦っている人がいる。そのことが、何よりの支えになる。言葉の重みは、経験してきた人同士だからこそ通じるものだ。

弱音を吐ける相手がいることのありがたさ

強がってばかりでは、身がもたない。たまには「もう無理」「疲れた」と言っていい。弱音を受け止めてくれる人がいるだけで、救われることがある。だから、無理に完璧を目指さなくてもいい。まずは自分の気持ちを認めることから始めよう。

頑張っている人すべてに伝えたい

この文章を読んでくれたあなたも、きっと何かと戦っている人だと思う。司法書士であってもなくても、仕事に押しつぶされそうな気持ちは同じ。だからこそ伝えたい。「休んでもいい」「立ち止まってもいい」。ほんの少し、自分のための時間を取るだけで、心が軽くなることもある。

忙しさに飲まれているあなたへ

仕事に追われていると、「ちゃんとやらなきゃ」「もっと頑張らなきゃ」と自分にプレッシャーをかけてしまいがち。でも、本当に大事なのは、自分が壊れないこと。どんなに責任ある立場でも、倒れてしまっては意味がない。今感じているしんどさを、誰かに伝えてみること。それも立派な仕事の一部だと思う。

少しだけでも、自分のための時間を

何もしない時間を、意識して取るようにしてみてほしい。湯船にゆっくり浸かるでもいいし、空を見上げるだけでもいい。そんな「空白」が、頭の中をリセットしてくれる。仕事のことで頭がいっぱいになっているときほど、自分に優しくなる時間が必要だ。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。