フリーズするたびに壊れていく自分のメンタル
司法書士という仕事は、地味で細かい作業の連続だ。しかも締切がある。しかも間違えられない。そんな中で、ようやく頭が回り始めて、書類の流れが見えてきて、「これいけるぞ」と思った矢先にパソコンがフリーズする。あの「無言の反抗期」みたいな無反応に直面すると、こちらの心も音を立てて固まる。誰にも見られてないのに顔が引きつるのがわかる。おかげで、最近は自分の顔に自信が持てない。
作業が乗ってきたところで限界を迎えるPC
不思議と、作業が一番乗ってきたタイミングで、パソコンは止まる。しかも、ほんの数分前までは快調だった。エクセルの関数が一発で動いたり、PDF変換がスムーズだったりして「お、今日は調子がいいかも」なんて思った自分がバカだった。まるで、ベンチから「お前、打てるぞ」って声かけられた次の打席で三振するあの感じ。調子に乗るとろくなことがない。
保存していなかったデータたちに別れを告げる瞬間
こまめな保存は大事だとわかっている。でも人間って不思議で、「今はいける気がする」と思ったときほど保存を忘れる。パソコンがフリーズしたとき、「まさかこのタイミングで…」と思いつつ、Ctrl+Sを押しても無反応。その数秒の間に、いくつもの書類、修正履歴、気づき、ひらめきが蒸発していく。まるで草野球で全力で走ってきたのにベースがなかったときの虚無感。
自動保存なんて信用してない
Wordの「自動保存があります」ってポップアップ、あれは希望じゃなくて絶望の通知だ。なぜなら、復元された文書の9割はぐちゃぐちゃだからだ。箇条書きがズレてたり、レイアウトが崩れてたり、「こんなんじゃクライアントに出せないよ」という状態で帰ってくる。自動保存は信用してない。まるで、キャッチャーがこっそりグローブを引っ込める感じ。「そこにいると思ってたのに」ってなる。
なぜ今このタイミングで固まるのかという謎
たまに、ただメール一通を開こうとしただけなのに、PCが動かなくなる。今じゃなくてもいいじゃないか。なんでこの一瞬に限って、と問い詰めたくなる。自分の仕事の集中力がMAXになった瞬間に限って、機械の方はストライキを起こす。人間もフリーズするけど、機械のフリーズは容赦ない。まるで試験前日にお腹壊すあの感じ。普段は元気なくせに、なんで今、ってやつ。
フリーズするPCと無言で睨み合う3分間
Ctrl+Alt+Delete。それが効かないときは、ただただ画面を見つめるしかない。進まないカーソル。回り続ける読み込みマーク。何度もマウスを握り直すけど、何も変わらない。そんな自分をふと鏡で見たら、たぶん相当疲れた顔をしていると思う。誰にも言えないけど、この3分が一番長い。高校時代の練習中、グラウンド10周を言い渡された瞬間の絶望に似ている。
昔の野球部ならグローブ叩きつけてた
パソコンに対して怒りをぶつけるわけにもいかず、ただ堪える。でも、もし高校時代の自分だったら、グローブを投げてる。いや、バットを折ってたかもしれない。でも今は大人。PCに当たっても自分の損。わかってる。わかってるけど、机を軽く叩くくらいはさせてくれ。仕事が立て込んでるときに限って、フリーズはくる。それが司法書士の日常だ。
怒りや情けなさをぶつける相手がいない日常
一人で仕事をしていると、愚痴の相手もいない。事務員さんは若くて真面目だから、あまりこちらの愚痴を聞かせるのも悪い。となると、話す相手は天井かパソコンか、自分の頭の中だけだ。だからフリーズしたときも、黙って立ち上がってコーヒーを淹れるだけ。なんともやるせない。この孤独な戦いは、想像以上に消耗する。
事務員さんには言えない愚痴がたまる
「この前もフリーズしちゃってさ」と軽く笑って言えればいいんだけど、たいていの場合、そのフリーズで一日が台無しになってるから、笑えない。若い事務員さんに重い話をしても気を遣わせるだけだし、こっちも気を遣う。だからつい、誰にも言えずに飲み込む。昔の上司が「ストレスは溜めずに出せ」って言ってたけど、どこで出せばいいんだろう。山にでも叫びに行きたい。
そもそもPCトラブルに強くない
司法書士試験に合格するまでに、パソコンの知識なんて必要なかった。いま必要なのは、Wordのスタイル設定、Excelの関数、PDFの結合、時には画像編集や、署名データの変換まで…。何屋なんだよと思うけど、逃げられない。しかも、誰も教えてくれない。YouTubeで調べて自己解決。それでも失敗して、時間を溶かす日々。自分が情けなくて、ちょっと泣きたくなる。
技術屋じゃないのにITと戦わされる理不尽
IT知識がなければ、業務が止まる。でも、司法書士は本来そこを求められてないはず。なのに、今は「できて当然」みたいな空気がある。行政も電子化、顧客もオンライン対応を望む。じゃあ誰がそこに対応するのか?答えは自分。自分しかいない。でも正直なところ、それは本意じゃない。ただ登記をしっかり処理して、クライアントの不安を解消したいだけなんだ。
司法書士という仕事に求められる無駄なスキル
フリーズという一件の裏にあるのは、「司法書士=万能職」みたいな世間の期待だ。パソコンに詳しくて当たり前、書類作成も完璧、接客もできて、期限も守る。無理でしょ、それ全部。なのに、現場では「できる限りで」なんて言葉は通用しない。求められるのは結果だけ。だから、ミスもトラブルも許されない。けれど、そのプレッシャーが自分を疲れさせていく。
WordとExcelとスキャナとPDFと格闘する日々
「司法書士」という肩書の裏には、毎日地味なソフトとの戦いがある。Wordのレイアウトが崩れたら修正。Excelの数式がズレたら調整。スキャナが認識しなければ手動でやり直し。PDFのページ順が違っていたらやり直し。気づけば、クライアントと話すよりも、パソコンと睨み合ってる時間の方が長い。それが「現場」だ。
フリーズしても仕事は待ってくれない
どんなにパソコンが止まっても、登記の期限は動かない。お客さんの予定も変わらない。だから自分だけが遅れるわけにはいかない。焦って再起動して、書類を一から作り直して、なんとか帳尻を合わせる。その姿は、グラウンドでノックを受け続けるあの頃に似てる。しんどくてもやるしかない。やらなきゃ終わらない。それだけ。
誰も助けてくれないけど助けなきゃいけない立場
最後は結局、自分しかいない。パソコンも、システムも、タイミングも、味方ではない。それでも、クライアントには不安を与えたくないし、できることは全部やりたい。だから踏ん張る。でもたまに思う。たまには誰かに「それ、代わりにやっときますよ」って言ってもらいたいって。そう思う夜は、なぜかフリーズよりもしんどい。