気づけば心がどこか遠くにある
人と同じ場所にいるのに、心だけどこか別のところにいる感覚。最近、そんな自分に気づくことが増えました。依頼人と面談していても、事務員が話しかけてきても、どこか上の空で返事してしまう。これはきっと忙しさのせいだと、何度も言い聞かせています。でも、本当にそうでしょうか。たとえば昼ごはんを食べていても、つい申請書の書式や登記完了予定日を頭の中で整理してしまう。誰かと一緒にいる時間が「一緒にいるだけ」の時間になってしまっていることに、気づくのが少し怖くなります。
同じ空間にいても感じる距離感
先日、実家に顔を出したときのこと。母と夕飯を囲んでいたのですが、気がつけば私はパソコンのキーボードを叩いていました。「あなた、話してるの聞いてる?」と母に言われて、はっとしました。確かにそこに座ってはいる。でも、耳も目も頭も、別のところに向いている。そういうことが続くと、「一緒にいるのに、いないみたいだね」と言われても仕方ないと思えてきます。たったひとつのLINE返信に集中できないとき、自分の心の不在を痛感します。
依頼人とのやりとりで感じるすれ違い
事務所での仕事中も、こうした心ここにあらずの状態は影を落とします。登記の相談に来た依頼人の話を、メモを取りながら聞いているのに、話の肝心な部分を聞き逃してしまう。後から「それは前にお伝えしたと思うんですが」と言われて冷や汗をかいたことが何度もあります。聞いていたはずなのに、記憶にない。その原因は、心がその場にちゃんといなかったことに尽きます。物理的な同席と、意識の同席はまったく別の話なのです。
友人や家族との会話にも集中できない
たまの休みに友人と食事に行っても、「仕事のこと考えてるだろ」と言われる始末。無意識のうちに、頭の中でスケジュールを立て直してしまっているのです。たとえば「火曜の案件は法務局に何時に出すか」とか「水曜の補正は郵送か持参か」など、話している最中にも思考が勝手に仕事へ滑っていきます。結果として、「なんか今日、全然楽しそうじゃなかったな」と言われ、自己嫌悪に陥ることもしばしば。相手に悪気がないだけに、余計に刺さります。
頭の中は常に仕事の段取りばかり
目の前の人よりも、頭の中の「やるべきこと」が優先されてしまう。司法書士という職業は、常に複数の案件を並行して管理しなければならないため、どこかで心を切り離すのが難しいのかもしれません。けれど、その意識のクセが人との関係に亀裂を入れてしまうこともあります。ふと、空っぽになって休む時間がなくなっていることに気づいて、心の疲労感が一気に襲ってくる瞬間があります。
案件の優先順位が頭から離れない
たとえば風呂に浸かっているときも、「あの登記申請、登録免許税の計算ちゃんと合ってたっけ」と考えてしまう。寝る前の数分も、翌朝にやるべきことを頭でシミュレーションしてしまう。これでは心が休まるわけがありません。身体はソファに沈んでいても、心は法務局の窓口に向かっている。そんな状態では、どんなに「休んでる」と言われても納得できません。
「忘れてないか」が心の中にいつもある
「あれ、あの資料ちゃんと添付したっけ?」という不安が、常に背中に張り付いています。これがまた厄介で、何度チェックしても不安が消えない。だから、気がつくと何度も確認作業に戻ってしまう。その結果、人と会っていても「ちょっとだけ失礼」と言ってPCを開いてしまう。相手が眉をひそめても、自分ではそれが「安心のための行動」に思えているから、やめられない。これでは本末転倒ですよね。
事務所の空気がどんよりしてしまうとき
自分が疲れていたり、心に余裕がないとき、事務所全体の空気も重くなってしまう。それは、雰囲気というより“波”みたいなもので、無意識のうちに事務員にも伝染してしまいます。彼女が丁寧に話しかけてくれても、こちらが心ここにあらずの返事をしてしまうと、その場の空気がピタッと止まるのがわかる。誰も悪くないのに、うまくいかない感じ。そういう瞬間、なんとも言えずつらくなります。
自分の余裕のなさが事務員に伝染する
たとえば、登記の補正が立て続けに発生している時期などは、朝からこちらの機嫌もピリピリしがちです。そんなときに事務員から「この書類、こっちでいいんですよね?」と聞かれて、「それ、昨日も言ったよね」とつい冷たく返してしまう。言ってしまってから、「ああ、またやってしまった」と後悔しても遅い。自分の余裕のなさが、事務所全体の雰囲気を悪くしていると実感する瞬間です。
話しかけられてもついぶっきらぼうに
別に怒っているわけではないのに、返事がつい「うん」「あとで」で終わってしまう。事務員は気を遣って「今じゃないかな」と空気を読んで黙ってしまう。その結果、必要な報告も上がらず、ミスが起きてしまう。つまり、私の態度が原因で情報が止まり、仕事全体に影響が出るという悪循環。ほんの少し、心を置く場所を間違えただけで、こんなにも大きなズレが生まれるんだなと痛感します。
「あとで」が増えると信頼が薄れる
「今忙しいからあとで聞く」「あとでまとめて処理する」そう言いながら、その“あとで”がやってこないこともある。それを一度やってしまうと、「どうせ言っても後回しにされる」と思われてしまう。小さな不信が積み重なると、職場の信頼関係が静かに壊れていくんですね。信頼は、一緒にいる時間の密度でも育つんだと、失って初めて気づきます。
誰かといても孤独を感じる瞬間
忙しさや責任感のせいにしていたけど、ほんとうは「誰かといても孤独を感じている」ことが、いちばんの原因かもしれません。気持ちが常に仕事に向いているせいで、人とのつながりがどんどん希薄になっている。仕事が終わった後、ふとスマホを見て、着信もメッセージも何もないことに気づいたときのあの虚しさ。あの感覚は、きっと誰しも一度は味わったことがあるのではないでしょうか。
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気づけば心がどこか遠くにある
人と同じ場所にいるのに、心だけどこか別のところにいる感覚。最近、そんな自分に気づくことが増えました。依頼人と面談していても、事務員が話しかけてきても、どこか上の空で返事してしまう。これはきっと忙しさのせいだと、何度も言い聞かせています。でも、本当にそうでしょうか。たとえば昼ごはんを食べていても、つい申請書の書式や登記完了予定日を頭の中で整理してしまう。誰かと一緒にいる時間が「一緒にいるだけ」の時間になってしまっていることに、気づくのが少し怖くなります。
同じ空間にいても感じる距離感
先日、実家に顔を出したときのこと。母と夕飯を囲んでいたのですが、気がつけば私はパソコンのキーボードを叩いていました。「あなた、話してるの聞いてる?」と母に言われて、はっとしました。確かにそこに座ってはいる。でも、耳も目も頭も、別のところに向いている。そういうことが続くと、「一緒にいるのに、いないみたいだね」と言われても仕方ないと思えてきます。たったひとつのLINE返信に集中できないとき、自分の心の不在を痛感します。
依頼人とのやりとりで感じるすれ違い
事務所での仕事中も、こうした心ここにあらずの状態は影を落とします。登記の相談に来た依頼人の話を、メモを取りながら聞いているのに、話の肝心な部分を聞き逃してしまう。後から「それは前にお伝えしたと思うんですが」と言われて冷や汗をかいたことが何度もあります。聞いていたはずなのに、記憶にない。その原因は、心がその場にちゃんといなかったことに尽きます。物理的な同席と、意識の同席はまったく別の話なのです。
友人や家族との会話にも集中できない
たまの休みに友人と食事に行っても、「仕事のこと考えてるだろ」と言われる始末。無意識のうちに、頭の中でスケジュールを立て直してしまっているのです。たとえば「火曜の案件は法務局に何時に出すか」とか「水曜の補正は郵送か持参か」など、話している最中にも思考が勝手に仕事へ滑っていきます。結果として、「なんか今日、全然楽しそうじゃなかったな」と言われ、自己嫌悪に陥ることもしばしば。相手に悪気がないだけに、余計に刺さります。
頭の中は常に仕事の段取りばかり
目の前の人よりも、頭の中の「やるべきこと」が優先されてしまう。司法書士という職業は、常に複数の案件を並行して管理しなければならないため、どこかで心を切り離すのが難しいのかもしれません。けれど、その意識のクセが人との関係に亀裂を入れてしまうこともあります。ふと、空っぽになって休む時間がなくなっていることに気づいて、心の疲労感が一気に襲ってくる瞬間があります。
案件の優先順位が頭から離れない
たとえば風呂に浸かっているときも、「あの登記申請、登録免許税の計算ちゃんと合ってたっけ」と考えてしまう。寝る前の数分も、翌朝にやるべきことを頭でシミュレーションしてしまう。これでは心が休まるわけがありません。身体はソファに沈んでいても、心は法務局の窓口に向かっている。そんな状態では、どんなに「休んでる」と言われても納得できません。
「忘れてないか」が心の中にいつもある
「あれ、あの資料ちゃんと添付したっけ?」という不安が、常に背中に張り付いています。これがまた厄介で、何度チェックしても不安が消えない。だから、気がつくと何度も確認作業に戻ってしまう。その結果、人と会っていても「ちょっとだけ失礼」と言ってPCを開いてしまう。相手が眉をひそめても、自分ではそれが「安心のための行動」に思えているから、やめられない。これでは本末転倒ですよね。
事務所の空気がどんよりしてしまうとき
自分が疲れていたり、心に余裕がないとき、事務所全体の空気も重くなってしまう。それは、雰囲気というより“波”みたいなもので、無意識のうちに事務員にも伝染してしまいます。彼女が丁寧に話しかけてくれても、こちらが心ここにあらずの返事をしてしまうと、その場の空気がピタッと止まるのがわかる。誰も悪くないのに、うまくいかない感じ。そういう瞬間、なんとも言えずつらくなります。
自分の余裕のなさが事務員に伝染する
たとえば、登記の補正が立て続けに発生している時期などは、朝からこちらの機嫌もピリピリしがちです。そんなときに事務員から「この書類、こっちでいいんですよね?」と聞かれて、「それ、昨日も言ったよね」とつい冷たく返してしまう。言ってしまってから、「ああ、またやってしまった」と後悔しても遅い。自分の余裕のなさが、事務所全体の雰囲気を悪くしていると実感する瞬間です。
話しかけられてもついぶっきらぼうに
別に怒っているわけではないのに、返事がつい「うん」「あとで」で終わってしまう。事務員は気を遣って「今じゃないかな」と空気を読んで黙ってしまう。その結果、必要な報告も上がらず、ミスが起きてしまう。つまり、私の態度が原因で情報が止まり、仕事全体に影響が出るという悪循環。ほんの少し、心を置く場所を間違えただけで、こんなにも大きなズレが生まれるんだなと痛感します。
「あとで」が増えると信頼が薄れる
「今忙しいからあとで聞く」「あとでまとめて処理する」そう言いながら、その“あとで”がやってこないこともある。それを一度やってしまうと、「どうせ言っても後回しにされる」と思われてしまう。小さな不信が積み重なると、職場の信頼関係が静かに壊れていくんですね。信頼は、一緒にいる時間の密度でも育つんだと、失って初めて気づきます。
誰かといても孤独を感じる瞬間
忙しさや責任感のせいにしていたけど、ほんとうは「誰かといても孤独を感じている」ことが、いちばんの原因かもしれません。気持ちが常に仕事に向いているせいで、人とのつながりがどんどん希薄になっている。仕事が終わった後、ふとスマホを見て、着信もメッセージも何もないことに気づいたときのあの虚しさ。あの感覚は、きっと誰しも一度は味わったことがあるのではないでしょうか。