契約者が急病になった日立会予定はぽっかり空白になった

契約者が急病になった日立会予定はぽっかり空白になった

予定が飛んだ朝の虚無感

朝一番、事務所に着いてメールチェックをしながら、今日の予定を頭の中で整理していた。10時に立会いがあって、それが終われば昼食を挟んで別件の書類チェック…そんな段取りをつけていた矢先、一本の電話が鳴った。「あの、すみません…急に熱が出てしまって…」と契約者本人からの連絡。急病で今日の立会いは延期とのことだった。もちろん体調のことは仕方ない。でも、その瞬間、心の中で「ぽっかり」と穴が空いたような気分になった。妙に時間が浮いてしまった感覚。充実した一日が一気に曇った。

立会予定に向けて準備していた前日

この立会いに向けて、昨日は遅くまで準備していた。関連書類のダブルチェック、登記情報の再確認、依頼人へのリマインドメールまで。こういうのって一見当たり前の仕事だけど、地味にエネルギーが要る。うちの事務所は事務員さんと二人だけだから、どんな作業も一つ一つ丁寧にしないと後で自分の首を絞めることになる。準備が整っているからこそ、「さあ明日はスムーズに終わらせよう」と気合も入っていた。だからこそ、あの延期連絡は余計に脱力感が強かった。

体調は仕方ないけれど割り切れない

契約者が急病なのはもちろん悪くないし、むしろ連絡してくれただけありがたい。でも、どこかで「なんで今日なんだ…」という気持ちが拭えない。登記って、予定していた日を逃すと次のスケジュール調整が大変になる。取引先の都合、関係者の空き状況、書類の有効期限。いろんな要素が絡むから、一度ズレるとすべてに影響する。感情ではなく、業務として「割り切れない」感覚がずっと胸に残る。

一日の流れが一気に崩れる感覚

スケジュールって、少しでも崩れると連鎖的に全部ズレてくる。特に地方の司法書士事務所では、移動距離や銀行の営業時間も考慮しなければいけないから、無駄な「ぽっかり空いた時間」はかなり厄介だ。10時の立会いが飛べば、11時の作業が前倒しできるわけでもなく、微妙に空いた1〜2時間は結局「何もできなかった時間」として終わることが多い。ただでさえ時間が足りない日々なのに、皮肉な話だ。

ぽっかり空いた時間の過ごし方

急に予定が飛んだあとの「空白時間」は、自由なようでいて意外と身動きが取れない。何かをやろうと思っても、エンジンがかからない。体は机に向かっていても、気持ちはどこか上の空。時間に追われているときには「ちょっと休みたい」と思うのに、いざ時間が空くと、その静けさが逆にプレッシャーになる。不思議な矛盾だ。

事務員には「今日は楽勝ですね」と言われて

延期の連絡を受けたあと、事務員さんが笑顔で「今日は楽勝ですね」と言ってきた。その気遣いはありがたい。でも、自分の中では全然「楽勝」じゃない。むしろ予定が飛んだことで変な緊張が残って、そわそわしてしまう。机に向かっても集中できないし、かといって別の予定に切り替える余裕もない。「時間が空いた=気が楽」ではないんだと痛感する。

なぜか余計に疲れてしまう不思議

午前中の立会いがなくなったなら、その分だけ体も頭もラクになる…と思いたい。でも実際はなぜか余計に疲れてしまう。やる気が急にしぼんだような感覚。準備していた分のエネルギーが行き場を失って、そのまま心の中で暴れているような、そんな妙な疲労感が残る。「休めるはずの時間」に、逆に自分を責めてしまう。これは、仕事に慣れた今でも解消できない。

やることは山ほどあるのにやる気が出ない

ほかの案件の書類整理やチェックすべき登記情報はいくらでもある。でも、それに手をつけようとすると気持ちが追いつかない。前日までのモードが「立会いモード」になっていた分、別の業務に頭を切り替えるのに時間がかかるのだ。無理やり始めても集中力は続かず、結局ぼーっと机に座ってしまう。何年やっても、自分のリズムは扱いづらい。

一人事務所のスケジュール管理の難しさ

事務員がいても、最終的な責任や日程の管理はすべて自分にかかっている。だからこそ、ちょっとした予定変更でも精神的な負担は大きい。再調整の手間だけでなく、「この先どう回していくか」の思考を常に求められるから、頭はずっとフル回転だ。正直、効率とか合理性とはほど遠い現実に、イラつくこともある。

予定が狂えば全部がズレる

立会いという大きな予定がズレれば、同じ日に予定していたすべての工程が見直しになる。とくに他の士業との連携が絡む場合は致命的だ。「今日が無理なら明日で」では済まないことの方が多い。司法書士の仕事は単独で完結しないものが多く、人と人との予定の織り合わせが前提になる。予定が狂うと、自分だけでなく周囲にも迷惑をかけてしまう感覚が、またストレスになる。

他の依頼者とのバランスをどうとるか

ある案件が延期になれば、その時間で別の案件を進められる…と思いたい。でも現実には、簡単に差し替えられるようなものばかりじゃない。特に、急ぎの案件や「いつでもいいよ」と言っていた依頼者の案件との優先順位に悩むことも多い。そうやって悩んでいる間に、また一日が終わってしまう。時間のやりくりは、頭を使う以上に神経を使う。

「また延期ですか」と言われる怖さ

一度スケジュールがズレると、次回調整時に「また延期ですか」と思われてないかと気にしてしまう。もちろんこちらのせいではないと分かっていても、仕事を任されている以上は「結果的に自分の印象」にも響く気がする。そんな被害妄想めいた思考に苦しむのも、この仕事の地味なストレスの一つ。完璧にスケジュール通り進むことなど滅多にないと分かっていながらも、心のどこかで「申し訳なさ」が消えない。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓