がんばってるのに報われない

がんばってるのに報われない

毎日がんばってるのに、なぜこんなに苦しいのか

一生懸命やってるつもりなんです。朝から晩まで、司法書士という仕事に真面目に向き合ってきたつもりです。なのに、どうしてこんなにしんどいのか。報われている実感がない。ふとそんな気持ちに襲われる日があります。頑張っても頑張っても、達成感より先に疲労がやってきて、心がすり減っていくような感覚。誰かに評価されたいわけじゃないけれど、せめて「ちゃんとやってるね」って言ってほしい。そう思ってしまうのは、甘えなんでしょうか。

朝から晩まで仕事に追われる日々

私の1日は、7時前に始まります。まだ世間が動き出す前から事務所に入り、昨日の処理の続きや、今日やるべき案件の段取りを確認します。午前中には来客や役所とのやりとり。昼飯はコンビニのおにぎりを立って食べるのが日常で、午後には不動産登記の確認、電話応対、メール処理、相続相談…。気づけば外は真っ暗。「今日も1日、あっという間だったな」って思いながら、洗い物も片付けも後回し。そんな毎日です。

書類、電話、来客対応、そしてクレーム

地味な業務の連続で、正直言って面白みはありません。しかも、トラブル対応が多い。たとえば相続登記で、兄弟間の争いに巻き込まれたり、登記漏れのミスがないか神経をすり減らしたり。先日は、書類に小さな誤字があっただけで激怒されたことがありました。「プロならミスするな」って、確かにそうかもしれません。でも、こちらだって人間なんです。電話はひっきりなしに鳴り、目の前のお客さんの対応中に次の予定が押し寄せる。それでも顔は笑っていなきゃいけないんです。

気づいたら昼飯も食べそびれてる

ある日、事務員から「先生、もう15時ですよ」って言われてハッとしました。時計を見ると、昼休みを取ったつもりがいつの間にか過ぎていて、目の前のカップ麺も冷めて固まってる。結局その日は夕方までノンストップで働いて、食事はコンビニの揚げ物だけ。そんなことが週に何度もあります。「忙しいのはありがたいこと」って、昔は思っていました。でも、最近は「こんな働き方でいいのかな」と、自問自答ばかりです。

司法書士って、報われる仕事なのか?

この仕事に就いて15年が経ちました。開業当初の不安や苦労は、時間とともに少しずつ減ってきましたが、「報われている」という実感はなかなか湧いてきません。資格を取ったときは「これで一人前だ」と思っていたのに、現実はそんなに甘くなかった。顧客は減る一方で、単価もどんどん下がっていく。事務所を維持するために、週末も働く日々。司法書士という職業が果たして「報われる仕事」なのか、最近わからなくなってきました。

努力と対価が見合わない現実

業務時間と収入のバランスを考えると、正直、アルバイトの方が効率が良いんじゃないかと思うことすらあります。たとえば1件3万円の登記業務、準備から完了まで丸2日かかることもあります。その間、顧客対応に神経を使い、書類の確認も念入りに。時間単価で割ったら…考えたくもない額です。でも、値上げすれば仕事は来ない。競合も増えて、価格競争に巻き込まれていく。どこまでやっても「正当に評価されていない」という思いが拭えないのです。

資格取得の苦労と現実のギャップ

司法書士の資格を取るまで、私は3回試験に落ちました。仕事を辞め、アルバイトをしながら必死に勉強して、やっと合格。あのときは人生が開けた気がしました。でも、実際に事務所を運営するようになって思ったのは、「合格はスタートラインにすぎない」ということ。営業、経理、事務、法律対応…全部一人でやらなきゃいけない現実。期待していた「安定した士業」のイメージは、今やどこへやら。苦労して取った資格の価値って、なんだったんだろうと考えてしまいます。

報われなさをどう受け止めるか

報われないと思うたびに、「それでもやる意味はあるのか」と悩みます。でも、そこに答えを出すのは簡単ではありません。やめてしまえばラクになるかもしれない。でも、今まで積み重ねてきたものが全部無駄になるような気もして、踏み出せない。報われなさにどう折り合いをつけていくか。それが、今の自分にとっての一番の課題なのかもしれません。

「報われたい」という感情の正体

冷静に考えてみると、「報われたい」という気持ちの奥にあるのは、誰かに「認められたい」という承認欲求なのかもしれません。社会的評価でもいい、家族のひと言でもいい。けれど私は独身で、家に帰っても話す相手はいません。せいぜい、テレビの音が鳴っているだけ。孤独の中で、がんばった自分を認めてくれる存在がないというのは、なかなか堪えるものです。

承認欲求とどう付き合うか

昔は「人に認められたい」なんて思うのは未熟だと思っていました。でも、40代半ばを過ぎて、その感情を無視して生きる方がしんどいと気づきました。今は、小さなことで自分を認めるようにしています。「今日もちゃんと起きた」「今日もクレームを我慢した」「お客さんに笑顔で返せた」。そういうことを、誰にも見られてなくても、ちゃんと自分が知ってる。それで十分だと思えるようになりたいと思っています。

一人で抱え込まないための工夫

仕事の悩みは、話せる相手がいるだけでかなり違います。でも、同じ立場の人じゃないと伝わらない苦しさもある。そんな中で、SNSでつながった同業者のつぶやきに救われたことが何度かありました。「今日も仕事やる気が出ない」「補正が5件も来て泣きそう」…そんな何気ない言葉に、「あ、自分だけじゃないんだ」と思える。それだけで、少し気持ちが軽くなるんですよね。

同業者とのつながりに救われた話

以前、Twitterで見かけた司法書士さんの投稿に思わず返信したことがありました。「最近ぜんぜんやる気が出ません」と呟いていたその人と、DMでやり取りするうちに、共通の悩みや愚痴がどんどん出てきて…。今ではたまにオンラインで雑談する仲になりました。会ったこともないけど、同じ悩みを抱える人と話せるって、本当に救われます。「がんばってるのに報われない」のは自分だけじゃない。そう思えることが、少しずつ自分を前向きにしてくれています。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。