なぜかいつもズレてる気がする日常
毎朝、天気予報を見て「今日は余裕あるな」と思った日ほどバタバタになる。何かがおかしい、いや、いつもおかしい。事務員の彼女に「先生ってタイミング悪いですよね」と軽く笑われたことがあるが、笑えないくらい的確だった。人生は選択とタイミングの連続だが、そのどれもが少しずつズレている気がする。些細なことでも、ズレが積み重なるとジワジワと効いてくる。まるで肩こりのように、気づいたときには重たくなってる。
朝イチの連絡はなぜか重なる
「今日はゆっくり書類整理でもするか」なんて思った朝に限って、電話が鳴りやまない。一本取ってる間に不在着信が二件、LINEが三件、メールは未読10件。何かの呪いかと思うレベルで重なる。昨日のうちに全部終わってたはずの案件が、なぜか同時に「やっぱり追加で…」という追い打ちを食らう。まるでこちらの暇を見透かしているかのようだ。
電話が鳴った瞬間に限ってトイレ中
「ちょっとトイレだけ行ってこよう」と立ち上がる。すると、トイレの個室で着信音。着信履歴を見ると、よりによって気難しい依頼人。こういうときの着信はなぜか絶対に折り返してはいけないパターンの相手が多い。戻ってかけ直すと「今さらですか?」の一言。こっちだって、トイレぐらい行かせてほしい。
同時に依頼が舞い込むときの混乱
一週間何もなかったのに、月曜の朝に三件の新規依頼が集中する。登記、相続、商業登記と種類もばらばら。しかも、みんな「急ぎなんです」と言ってくる。なぜ今なんだ。先週の金曜日、昼間からYouTube見ながら書類の並びを整えてたあの静けさは何だったのか。「少しずつ依頼を割り振って来てくれたらいいのに」と思っても、相手は神様じゃない。
昼休憩を取ると誰かが来る
「よし、今日は早めに昼を取ろう」そう思って弁当のふたを開けた瞬間、「ピンポーン」。インターホン越しに「すみません、突然なんですが…」という声。よりによって、今日に限ってカレー弁当。温めたばかりのそれは、再加熱するともうパサついてしまう。食べるころには、カレーの香りも風味も消えている。
温めた弁当が冷えるまでの切なさ
電子レンジでちょうどいい温度にした弁当。カレーの香りに包まれて、ほっと息をつこうとしたタイミングで電話が鳴る。「至急、先生じゃないとダメなんです」。仕方なく応対して戻ってくると、弁当はすっかり冷えている。レンジでチンすればいい?いや、二度目は美味しくないのを知っている。悲しい味しかしない。
「たまたま寄ったんですけど」地獄
事前連絡なく、アポなしで訪れる依頼人。しかも「近くまで来たから寄ってみました」と悪びれず笑うタイプに限って話が長い。こっちはスケジュールびっしり。昼休みの30分に、その「たまたま」が滑り込むと、午後の予定はすべて押す。そして、こういう人に限って「また寄りますね」と笑顔で帰っていく。お願いだから、もう少し空気を…いや、予定を読んでほしい。
書類提出と締切のすれ違い
司法書士の仕事は「期限」が命。でも、なぜかその期限の数時間前に限ってアクシデントが起きる。朝の段階で終わっていた書類でも、午後には「訂正のお願い」が舞い込んでくる。早く出そうとすると間違え、遅くなると間に合わない。提出とミスと訂正のデッドヒートに、毎回胃が痛くなる。
法務局の受付終了5分前に滑り込む
「今日は早めに提出しよう」と思っても、結局バタつく。昼間は相談対応、午後は打ち合わせ、気づけば時計は16:40。受付終了は17時。急いで書類を手に取り、車を走らせる。ギリギリで到着するも、駐車場が満車。ようやく駆け込むと、受付職員が「あと3分ですけど…」と冷たい視線。そんなの分かってる。もっと早く来たかったんだ。
なぜ午前中に動かなかったのか
自分でも分かっている。午前中に出せばよかった。でも「一度見直してからにしよう」「昼ごはん食べてからにしよう」と思っているうちに、時間は過ぎていく。見直しても、結局ミスは見逃してる。それなら、さっさと出してしまえばよかったと後悔するが、後の祭り。なぜ人はいつも“今じゃない”と思ってしまうのだろう。
窓口職員の目がつらい
法務局の職員さんのあの無言の視線。時計をチラ見しながら「もう終わりですよ」という無言の圧力。滑り込んだこちらも悪いが、あの空気の中で提出書類を確認してもらう時間の長さと言ったらない。指先にじっと視線を集めてしまうほどの緊張感。何度経験しても慣れない。書類を受け取ってもらった瞬間のあの安堵感、もうジェットコースター級。
ギリギリに出した書類ほど戻される
不思議なもので、ギリギリに提出した書類に限って不備が出る。普段なら見逃されそうな軽微なミスも、「時間外対応になりかねないんで」と言われて突き返される。まるで“時間を守れなかった罰”かのように、訂正印の刑が執行される。それは制度的に当然のことなんだけど、精神的にはかなり効く。
訂正印のために戻る往復の無力さ
「訂正印を押して、また持ってきてください」この一言で、もう一度事務所へ戻り、再提出することが確定する。車のエンジンをかけながら「俺、何やってんだろ」と思う瞬間。しかも、道中で雨が降ってくる始末。戻ったら戻ったで、別の依頼人からの電話が入っており、そっちも緊急。「タイミングが悪い」の一言では済まされない。
時間との闘いに勝った試しがない
結局のところ、司法書士という仕事は「段取りと準備」が全て。でも、その準備をどれだけしても、タイミングのズレ一つで台無しになることがある。段取り良く動こうとすると、外部要因がズレを生む。焦るとミスをする。冷静に構えても、後ろからタックルされるような事態が起きる。どんなに戦っても、「時間」と「タイミング」には勝てないのかもしれない。
恋愛も仕事も空振り続き
仕事だけじゃない。恋愛でも「タイミングが悪いなあ」と思うことばかり。もう笑うしかない。好意を持った人がいたと思えば、付き合う前に結婚報告が聞こえてきたり、やっと誘おうと思ったら転職して遠方へ引っ越していたり。ドラマみたいな展開なんて、現実には起きない。ただただ、ズレる。見事なまでに。
いい感じだと思った瞬間に既婚者発覚
司法書士会の飲み会で、ちょっと話が弾んだ女性がいた。「これはいけるかも」と思ったのも束の間、共通の知人が「旦那さんも司法書士なんだよね〜」と一言。もう何も言えなかった。なぜ、あと5分早くその情報を得られなかったのか。いや、そもそもなぜ私は“そういう人”にばかり惹かれてしまうのか。自分の恋愛センサーもタイミングも信用ならない。
合コンで盛り上がった相手に限って
久々に誘われた合コン。少し年下の女性と意気投合し、話も弾んだ。連絡先も交換して、週末にご飯でも…と思ったら、「実は転勤になっちゃって」とLINEが届いたのがその2日後。転勤先は北海道。さすがに通えない。ちょっと夢見た自分がバカだった。
タイミングを逃す告白の苦さ
「次に会ったら言おう」と決めていた。だけど、その「次」が来なかった。先に相手に彼氏ができたと知った瞬間、「やっぱりあのとき言ってれば」となる。人生って、だいたいこういうすれ違いの連続。好きな気持ちとタイミングが同時に揃うことなんて、本当に奇跡に近い。
なぜか忙しいときに限って相談が舞い込む
「先生、実は相談があって…」この一言が、なぜか締切の直前や移動の直前に来ることが多い。なんで昨日じゃないの?なんであと30分後じゃダメなの?そう言いたくなる。でも、タイミングは相手にとっての“今”だから仕方ない。こちらが調整するしかない。だけど、なんでこうもピンポイントで“忙しい瞬間”を狙ってくるのか、不思議でならない。
「ちょっとお時間ありますか?」の破壊力
この一言を軽く受けると、だいたい一時間コースになる。「今は難しい」と言いたいけど、相手は真剣そのもの。断るのは気が引けるし、話し始めたらつい乗ってしまう。結果、予定は押すし、後の作業が夜にずれ込む。自分の性格もまた、“タイミングの悪さ”を助長しているのかもしれない。
空いてるときは誰も来ない不思議
一日まるっと時間が空いてるときに限って、誰も来ないし電話も鳴らない。今日は相談日和だぞ、と構えていても何も起きない。結局、やることがないので掃除を始める。でも、掃除が終わると依頼が入る。このズレが、もう一種の風物詩のようになっている。なんかもう、人生ってうまく噛み合わないようにできてる気がしてくる。