気づけば恋愛してない期間が長い

気づけば恋愛してない期間が長い

気づいたら、恋愛が遠い存在になっていた

ふとした瞬間に気づくことがある。最後に誰かと恋愛らしいことをしたのはいつだったか…。目の前の仕事に追われ、気づけば数年が経過していた。司法書士という仕事柄、常に人と向き合い、神経を使い、そして間違いが許されない緊張感に包まれている。そんな日々の中で「恋愛」という選択肢は、いつの間にか棚の奥にしまい込まれたままだった。気づいたときには、「恋」という言葉がどこか遠いものに感じられるようになっていた。

日々の忙しさに追われるうちに

平日は朝から晩まで依頼対応に追われ、休日は帳簿や書類の整理。電話が鳴れば神経を尖らせ、急な登記案件に休日出勤。そんな日々が続くうちに、自分の感情や人との関係は後回しになっていった。「今日も忙しかったな」とひとり夜食をかきこみ、テレビをぼんやり眺めて寝る。恋愛に時間を割く余裕なんて、どこにもなかった。

事務所と自宅の往復だけの生活

仕事が終わればその足でスーパーに寄り、弁当を買って帰る。家に帰ってからも、書類をめくって気になる部分をチェック。気づけば「誰かと食事に行く」「週末に遊びに行く」そんな行為すら億劫になっていた。事務所と自宅の往復だけの生活に、変化は一切ない。それが「安心」と思っていたが、実際は心がどんどん閉じていっていた。

「時間ができたら」と思い続けて数年

「今は忙しいけど、落ち着いたら考えよう」「余裕が出てきたら、誰かと出会いたい」そんなふうに先送りにしてきた。だけど、時間は永遠にできなかった。気づいたら数年が経ち、周囲は結婚して子育て中。そんな中で、自分だけが取り残されているような感覚を覚える。時間は待ってくれない。それでも、忙しさを言い訳にしてきたのだ。

気づけば年齢も重ねていた

30代前半の頃はまだ「これから」という感覚があった。だが40を過ぎた今、鏡に映る自分は少し疲れた表情をしていて、白髪も増えた。「そろそろ本気で誰かと向き合いたい」そう思っても、若い頃のような勢いはない。年齢を重ねるにつれて、出会いのハードルも、気持ちの壁も高くなっていた。

若い頃と違って出会いも減少

学生時代や新人時代は、いやでも出会いがあった。同期との飲み会、研修、友人の紹介…。だが、今はそういった機会がほとんどない。司法書士という職業柄、関わるのはクライアントや士業関係者ばかり。しかも業務はドライで、感情のやりとりをあまり求められない。自然と、恋愛につながるような交流は減っていった。

「いい人いないかな」が口癖に

口では「誰か紹介してよ」「いい人いないかな」と言いながら、実際は自分から動こうとしていない。そもそも、どんな人を「いい人」と思うのかさえ、曖昧になっている気がする。理想ばかりが膨らんで、現実とのギャップにため息が出る。結局、自分で自分の可能性を閉ざしているのかもしれない。

それでも、もう一度人と向き合ってみたい

気づけば長い間、恋愛をしていなかった。でも、完全に諦めたわけじゃない。誰かと本音で向き合って、一緒に笑って、ちょっとしたことで愚痴をこぼしあえる、そんな関係に憧れはある。過去に失敗したことも、臆病になった経験もすべて含めて、それでもまた一歩踏み出せたら…と思う自分がいるのも確かだ。

恋愛は若者だけの特権ではない

「もうこの歳だし」と自分に言い訳していたけれど、本当にそうなのか?とふと思ったことがある。年齢を重ねたからこそ、相手に対して優しくなれることもあるし、過去の経験が人としての深みを与えてくれることもある。恋愛は、若さだけで成り立つものではない。むしろ今だからこそ、落ち着いた関係を築ける可能性があると思う。

年齢を重ねたからこその魅力もある

若い頃にはなかった余裕や気遣い。無理に格好つけなくても、素のままでいられること。それは、年齢を重ねた人の特権でもある。見た目はともかく、心の成熟度や思いやりは、時間をかけて育まれたものだ。それに惹かれる人もきっといる。自分自身を認めてあげることが、まずは大事なのかもしれない。

過去の失敗が今の優しさにつながる

恋愛でうまくいかなかったこと、失恋したこと、人を傷つけたこともあった。それらの経験がなかったら、今のような感情にはならなかったと思う。だからこそ、もしまた誰かと向き合うことがあれば、今度はもっと大事にしたい、相手の話をちゃんと聞きたい、と思える。過去の失敗は、決して無駄ではなかった。

まずは日常の小さな一歩から

いきなり「恋愛しよう」と決意するのは難しい。でも、小さなことから始めてみるのはできる。例えば、仕事以外の場に顔を出してみるとか、趣味の会に参加してみるとか。日常の中に少しだけ外の風を入れること。それが、自分を変える最初のきっかけになるかもしれない。

出会いの場に行く勇気を持つ

婚活パーティーに行くとか、マッチングアプリを使うとか、そういうのはちょっと抵抗がある。でも、例えば趣味のイベントや、地域の集まりなら、気軽に顔を出せる。最初は気まずいかもしれないが、思い切って一歩踏み出せば、案外そこにヒントがあるかもしれない。出会いは、待っていても始まらない。

「話す相手がいる」だけでも心が変わる

恋愛じゃなくてもいい。ちょっとした会話を楽しめる相手がいるだけで、日々の気持ちは変わる。コンビニの店員さんとの挨拶、近所のおばちゃんとの立ち話、そんな些細な交流が、少しずつ心を開かせてくれる。人と話すことは、思っている以上に自分の内面に影響を与えてくれるのだ。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。