連絡先教えてもらっていいですかと言われてもそれ仕事の話ばかり

連絡先教えてもらっていいですかと言われてもそれ仕事の話ばかり

連絡先教えてもらっていいですかと言われてもそれ仕事の話ばかり

連絡先を聞かれる瞬間にときめかなくなった

「連絡先教えてもらっていいですか?」という言葉に、かつてはちょっとドキッとしたものです。特に若い頃、野球部の試合後なんかでクラスメイトにそう聞かれたら、「おっ、これは…?」なんて思ったりして。でも、司法書士として働くようになってから、その言葉はただの業務連絡を意味するものになりました。最近じゃもう、そう言われても条件反射で名刺を差し出すばかり。プライベートな連絡先を交換するようなこと、最後にいつあったか覚えていません。

名刺交換はしてるけど心はすれ違い

この業界、名刺交換は日常茶飯事です。登記関係の依頼者、他士業の先生方、不動産会社の営業さん…。渡した名刺が何枚になったかなんて数えたこともありません。でもね、不思議と人と人として繋がった感じはあまりしないんです。ただの情報のやりとり。用が済めばそれで終わり。名前も顔も記憶に残らない相手だって珍しくない。まるで回転寿司の皿みたいに、流れては去っていくような感じです。

渡した名刺は封筒に入れられたままのことも

ある日、依頼者の方が資料と一緒に封筒を持ってきたんです。中に入っていたのは、以前私が渡した名刺。きっとどこにしまったらいいかわからず、封筒に放り込んでそのままだったんでしょう。なんだか胸がズーンと重くなりました。仕事上仕方ないとはいえ、自分の存在が単なる「紙の一枚」にしかなってないんだなって。いや、愚痴じゃないですよ。でもちょっと、寂しくなりますよね。

それでも丁寧に管理してしまうのが性分

そんな経験があっても、私自身は名刺管理がきっちりしています。もらった名刺はすぐにファイリング。分類も日付もバッチリ。性格でしょうね、几帳面なのは。でもその几帳面さが仇になって、仕事の連絡はすぐに返せるけど、友達とのLINEは既読スルーしてしまう。なんだか、本末転倒というか…。人間らしいやりとりを、いつのまにか見失っている気がします。

プライベートの連絡先が聞かれない現実

気づけば、プライベートの連絡先を聞かれることなんて、ほとんどなくなりました。飲み会でも、せいぜい「事務所の番号かメール教えてください」と言われるくらい。スマホには通知が来るけど、内容はほぼすべて業務関連。相談、登記の進捗、期日確認。誰かから「元気?」とか「最近どう?」なんてLINE、もう何年も来ていません。

スマホの通知は全て業務関連

朝起きてスマホを見ると、「◯◯様の件、至急ご確認ください」の通知がずらり。せめて天気アプリぐらいは役立ってくれと思うんですが、たいてい通知が来る前に雨が降り出すんですよ。プライベートで使ってるアプリ、最近じゃ地図とカメラくらいです。そういえば、SNSもアカウントだけ作って全然更新してないな…。昔はランチの写真とか投稿してたのに。

休みの日でも「至急でお願いします」

「休日だからって、気を抜かないように」と言われたことがあります。いや、そうかもしれません。でもね、日曜の朝に届く「至急対応お願いします」は心にくるんですよ。私にも、たまには何もしない日曜日がほしい。事務員さんだって休みなのに、私のスマホだけは鳴り続ける。最近じゃ休みの日のほうが、むしろ仕事の連絡が多かったりするんですよね…。

せめて天気予報アプリぐらい役立ってくれ

ある朝、外に出たら見事に土砂降り。天気予報アプリは「曇り時々晴れ」って言ってたのに。ビショビショで出勤して、そのまま法務局へ直行。傘は車の中、タオルもなし。そういう日に限って、大事な案件が入ってたりする。そんな時、ついスマホに「お前も役に立たないな」と話しかけてしまう自分がいます。いや、もう何と会話してるんだって話ですけどね。

昔はLINEの通知が嬉しかった

昔の自分を思い出すと、LINEの通知が来るたびにワクワクしていました。あの子からかな?とか、飲み会のお誘いかな?なんて。でも、今はそのワクワクはどこへやら。通知が来ると「また何かあったか…」と身構える始末。まるでLINEが「緊急連絡網」に成り下がったようです。

野球部時代は連絡網があった

高校時代の野球部では、電話の連絡網がありました。部活の中止や集合時間の連絡を、次の人に伝えるあれです。あの時は、電話をかけるのも、ちょっと緊張しつつも楽しみでした。なにせ、気になるマネージャーにかける順番が回ってくると、それはそれは心が躍ったものです。

そこには私的なやりとりもあった

連絡のついでに「最近どう?」なんて話が続いたり、たまに雑談になって長電話になったり。練習以外でも仲間とつながってる感覚が、あの頃はありました。いま思えば、そういう雑談こそが人間関係の潤滑油だったんだろうなって。連絡=用件じゃなかったんです。

あの頃は、誰かとつながっていた気がする

当時はスマホなんてなかったけれど、心の距離は近かった。手書きの手紙だって、交換してたくらいです。いまや連絡手段がいくらでもあるのに、誰とも本当にはつながっていないような気がしてしまう。技術は進化しても、心はどこか置いてけぼりですね。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓