気づいたら45歳老後って他人事じゃなかった
昔は「老後」なんて言葉、どこか遠い話のように感じていた。でも、気づけば45歳。気づかないうちに、人生の後半戦に突入していたような気がする。若い頃は「定年?年金?そんなのもっと後の話でしょ」とタカをくくっていたけど、最近は寝る前にスマホで「老後資金」と検索している自分がいる。これって、危機感の表れなのか、それとも現実逃避なのか。ふとした瞬間に湧き上がる不安が、じわじわと日常に入り込んでくる。
ふと電車の中で考えたこの先どうなるんだろう
先日、久しぶりに電車に乗って裁判所へ向かう途中、スーツ姿の若者たちに囲まれながら、車窓の景色をぼーっと眺めていた。「俺、この先どうするんだろうな」って、ふと頭に浮かんだんだ。事務所は細々と続けているし、案件もゼロじゃないけど、右肩上がりの感覚なんてもうずっとない。結婚もしていないし、子どももいない。老後に寄り添ってくれる人もいない。そんな状況で、60代70代をどうやって迎えるつもりなんだって、自問自答し始めた。
若い頃は見えてなかった定年後の自分
大学時代、野球部でがむしゃらに走っていた頃なんて、定年後の生活なんて想像したことすらなかった。司法書士になったのも、どちらかといえば成り行きだった。周りから「真面目そう」「資格向いてるんじゃない?」って言われて、なんとなく勉強を始めたのがきっかけ。でも、そのときはまさかこんなに孤独に、そして不安を抱えながら日々働くことになるとは思わなかった。
野球部だったあの頃と比べるのが間違いなのか
野球部時代は仲間がいた。毎日グラウンドで汗を流し、勝って泣き、負けても泣いて、それでも明日はあった。でも今は違う。登記の書類を黙々とチェックし、ミスがあれば自分の責任、電話対応も郵送も、事務員さんが休めば全部一人でやる。あの頃と比べてはいけないと思いながら、やっぱり人とのつながりが少なくなった今、孤独という名の重圧に押し潰されそうになる。
iDeCoという名前は知っていたでも他人事だった
テレビのCMで「老後に備えるならiDeCo」とか聞いたことはあった。銀行に行くとチラシも置いてある。でも正直なところ、面倒くさそうだし、自分には関係ないって思ってた。でも、電車の中で感じたあの不安がどうにも拭えなくて、夜にスマホをいじりながら「iDeCo メリット デメリット」と検索を始めた。
なぜか今になって検索窓に手が伸びた理由
検索を始めたきっかけは、小さな出来事だった。コンビニで年配の男性が、スマホの決済に戸惑っていた。その姿を見て、「自分もああなるんだろうな」と思ったとき、妙にリアルに老後が迫ってきた気がした。スマホで支払いができない不自由さもそうだけど、それ以上に「自立していない感じ」が怖かった。だから、老後の生活を少しでもマシにする方法を探し始めた。それが、iDeCoだった。
制度は難しそうだけど気になるのは節税という言葉
司法書士って税金のこと、なんとなくわかったつもりになってるけど、いざ自分が使うとなると急にハードルが上がる。iDeCoの最大の魅力が「節税」と書かれていて、それだけでちょっと気が引かれた。毎月の掛金が所得控除になるってことは、今払ってる税金が少し戻ってくるという話。でも、仕組みはややこしい。金融機関選びとか運用商品とか、正直、調べるだけで疲れる。
司法書士でも知らないことだらけの年金制度
登記や相続の知識はある程度あっても、年金制度や個人型確定拠出年金の話になると、自分が素人であることを思い知らされる。お客さんには「制度は確認しておきましょう」とか言うけど、自分のことになると全然わかってない。やっぱり、制度を“知っている”のと“使える”のは違うんだなと痛感した。
結局iDeCoって何なんだ自分に必要なのか
結論から言えば、まだ始めてはいない。でも、真剣に考えるようにはなった。「必要か」と聞かれたら、「不安を感じている今の自分には必要かもしれない」と答えると思う。完全な答えは出てない。けど、何も調べないで不安だけ抱えてるよりはずっとマシだ。
手続きは面倒でも将来の安心は手に入るのか
iDeCoの資料を取り寄せて、驚いた。とにかく手続きが煩雑。加入資格の確認、運営管理機関の選定、口座開設、運用商品の選択……司法書士が書類に慣れているはずなのに、それでもめんどくさいと感じた。でも、それ以上に気になったのは「このまま何もしなかったらどうなるんだろう」という不安だった。安心は、準備した人のもとにしか来ないらしい。
投資なんて怖いと思ってた昭和人間の壁
正直言うと、「投資」と聞いただけで拒否反応が出る。ギャンブルじゃないの?怖くない?と思っていた。でも、iDeCoは“長期的な資産形成”だと言う。10年20年のスパンで考えるなんて、若いころは絶対できなかった。でも今なら、多少リスクがあっても「備える」意味がわかってきた。昭和生まれの自分が、一歩踏み出す時が来たのかもしれない。
今から始めて老後に間に合うのかという焦り
45歳という年齢は、iDeCoの加入者としては遅い方かもしれない。でも、60歳まであと15年ある。今からでも毎月1万円積み立てたら、利回り次第ではそこそこの金額になるらしい。投資に“絶対”はないけど、何もしないで「足りない老後」に突入するよりは、やれることをやっておきたいと思うようになった。
まとめiDeCoは正解じゃないかもしれないけど動いた自分は褒めたい
iDeCoがベストな選択かどうかは、まだわからない。でも、少なくとも「何かしなきゃ」と思って、動き出した自分を少しだけ認めたい。年齢的に遅いかもしれないけど、始めるのが怖いままでいるよりはいいと思う。
動き出さなきゃ何も変わらないという当たり前のこと
当たり前のことだけど、動き出さなければ何も変わらない。司法書士の仕事でもそうだけど、最初の一歩を踏み出すのが一番しんどい。書類を揃えることよりも、「やる」と決めることの方が難しい。でも、少しでも気になったら、調べるだけでも十分。そういう行動が、今の不安を少しずつ軽くしていく。
愚痴ばかり言ってた日々からちょっとだけ前進できた気がする
事務所のこと、案件のこと、事務員さんのミス、全部にイライラしてた日々。疲れて帰ってコンビニ弁当食べて、テレビ見ながら愚痴る毎日。でも今は、老後のために“準備”という行動ができてる自分がいる。それだけでも、少し前進できたような気がしている。
老後の不安は消えないけど知らないままよりはマシかもしれない
不安は完全には消えない。でも、知らないまま老後を迎えるより、知ってて不安な方がまだマシ。知ることで備えができるし、備えがあれば気持ちも落ち着く。司法書士という職業にしがみつくように生きてきたけど、これからは「安心して生きる」ための知恵も身につけたいと思っている。