気を張りすぎて週末に寝込む日々

気を張りすぎて週末に寝込む日々

平日は戦場 土日は廃人

司法書士の仕事というのは、意外と「気」で持っている部分が大きい。依頼者との面談、登記の締切、書類の不備、役所との調整……。すべてにおいて、こちらの「抜かりなさ」が求められる。平日の自分は常に戦闘態勢。朝から晩までスーツを鎧にして立ち続けているような感覚だ。でも、その緊張の糸が金曜の夜にふっと切れる。すると、土曜の朝はベッドから起き上がれなくなる。それが、ここ数年の私の週末の常態だ。

月曜の朝は気合で起きる

日曜の夜、もうすぐ月曜がやってくることに気づいて胃が痛くなる。にもかかわらず、月曜の朝は意地で起きる。元野球部の名残か、「負けるわけにはいかない」という精神が、いつの間にか自分の中に巣食ってしまったのかもしれない。実際には誰も勝ち負けなんてつけていないのに。朝5時に起き、濃いコーヒーを飲み、事務員が出勤してくるまでにはデスクの前で待っている。そんな自分を時々「やりすぎじゃないか」と感じることもある。

気を抜いたら負けだと信じてる

「司法書士って、そんなに気張らなくてもいいんじゃない?」と言われたことがある。でも、私にとっては気を抜くこと=ミスに直結する。登記の1ミリの間違いが、依頼者の人生に関わることもある。だから気を抜けない。息を抜く瞬間が怖いのだ。気を抜いたらどこかで重大な取りこぼしが発生して、それがすべてを壊すような気がしている。だから、緊張感を切らさないように、ずっと自分を叱咤している。

予定がなくても朝5時に目が覚める体質

土曜日、予定が何もないのに、朝5時に目が覚める。しかも目覚ましも鳴らしていない。体が勝手に覚えてしまっているのだろう。出勤の準備をしそうになって、ハッと我に返る。そこから再び寝ようと思っても、変にアドレナリンが出ていて眠れない。結果、ソファに横たわったまま数時間が過ぎ、気づいたら昼過ぎ。せっかくの休日が、ただのぼーっとした時間に消えていくのだ。

金曜の夜が一番つらい

人は「花金」とか言うけれど、私にとって金曜日の夜は地獄の入り口。全力で走りきったあとに、いきなり全停止するような感覚で、頭も身体もついてこない。むしろ緊張の糸が切れてしまって、逆に何もできなくなるのだ。テレビの音すらうるさく感じる。電話の着信があると、身構えてしまう。夜になっても、その警戒心は抜けず、結局、何もせずに寝落ちしてしまう。

気が抜けた瞬間に崩れる身体

それまで元気だったように見えるのに、金曜の夜になると一気に熱が出る。これは毎週ではないが、月に一度くらいはそうなる。疲労が蓄積して、緊張が解けた瞬間に一気に不調が表面化するのだろう。頭痛、倦怠感、時には微熱。風邪とは違う、いわば「神経の疲れ」による体調不良。これを経験すると、逆に「休むのが怖い」と思うようになる。

無理に飲みに誘われても断れない

たまに知人から「飲みに行こう」と誘われる。金曜の夜、気分転換になるかと思って顔を出すものの、正直、つらい。身体は休息を求めているのに、社会的な付き合いに引っ張られていく。店の明かり、騒がしさ、話題に合わせたリアクション。それらすべてが疲れている心身にはキツい。無理して行った翌日は、やはり寝込む。それでも「付き合いだから」と割り切る自分がいる。

帰宅後は靴を脱いだまま床に倒れ込む

帰宅して、玄関のたたきにそのまま倒れ込んだことが何度かある。靴を片方だけ脱いだ状態で、意識が飛んでしまうのだ。疲労のピークというやつだろう。気がつけば夜中の2時。そんな時、自分がひどくみじめに思える。でも、それが「日常」になってしまっているのがさらに恐ろしい。

土曜の昼まで寝てしまう自己嫌悪

土曜は何もしたくない。いや、したいことはあるのだが、体がついてこない。気がつけば、昼の12時や1時までベッドの中にいる。その時間を取り戻そうとすると焦る。でも、そんな時に限って何も手につかない。メールを返す気力すらわかない。そうしている間に、自己嫌悪がじわじわと押し寄せてくる。「もっとやれるはずだったのに」と、昔の自分と比べてしまうのだ。

寝れば回復すると思っていた頃の勘違い

若い頃は、寝れば元気になると思っていた。実際、大学時代や野球部の頃はそうだった。だが今は違う。ただ寝るだけでは、心の疲れは癒えない。むしろ、寝すぎたことで体がだるくなり、動くのが億劫になることすらある。リフレッシュの方法も、年齢とともに変えていかないとダメなんだと痛感する。

体力じゃなくて神経がすり減ってる

以前、健康診断で「体力はありますね」と言われた。でも、どうにも回復しない疲れがある。それは神経の摩耗だったのだと思う。常に神経を尖らせて仕事をしていると、自律神経のバランスが崩れ、普通の生活が維持できなくなる。誰かと会うのも億劫、電話を取るのも緊張、書類を見るのも吐き気。そういう状態が続いていた。

誰とも話さずに過ぎていく日曜

日曜日。誰とも会わず、声も発さず、スマホもほぼ見ない。食事は適当、買い物も億劫。気がつけば、また日が暮れている。たまに「このまま誰とも話さずに死んでいくのでは」と思うことすらある。地方で独身、友達も少ない。趣味も減ってきた。日曜は、そんな人生の現実を突きつけられる日でもある。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓