司法書士は孤独な仕事なのか本音で語ってみた

司法書士は孤独な仕事なのか本音で語ってみた

司法書士という職業を選んだあの日

司法書士という職業に惹かれたのは、正直「一人で完結できる仕事だ」と思ったからかもしれません。学生時代は野球部でチームワークが当たり前の世界にいましたが、社会に出てからはどこか集団が苦手になっていて。資格を取れば独立できる、手に職をつけられる、その一点で突き進んだんです。あのときはまさか、自分がこの孤独さに悩むことになるなんて想像もしませんでした。

最初はやる気と理想だけで突っ走っていた

開業した当初は、毎日が新鮮で、仕事があることそのものに喜びを感じていました。書類の山に囲まれても、「全部自分で動かせる」という達成感がありました。地元の法務局に通いながら、少しずつ仕事を覚え、少しずつ依頼も増えていく。その感覚は、まるで草野球チームを一人で立ち上げて全部こなしてるみたいな感覚でした。楽しかったです、最初は。

独立して感じた静かな違和感

でも、2年も経つとその勢いは落ち着いてきて、ふと「誰かと話したいな」と思う瞬間が増えてきました。目の前の仕事はあるのに、何かが足りない。その「足りない」が何なのか最初は分かりませんでした。でも、気づいたんです。自分、誰とも会話してないなって。電話も最低限、メールも事務的。これは思った以上にしんどいぞと。

一人事務所という選択肢の現実

一人で回すことに憧れてた自分が、今はそれに縛られているような気がします。事務員さんは一人いてくれて本当に助かっているけど、最終的な判断も責任も全部自分。誰かに「これでいいかな?」って聞けないのが、地味にプレッシャーです。孤独というより「孤軍奮闘」って言葉のほうが合ってるかもしれません。

事務員はいても仕事の責任は全部自分

たとえば不動産登記で書類のミスがあったとき、誰かに原因をなすりつけるわけにもいかないし、自分の落ち度を一晩中反省するしかない。事務員さんに頼れるのは事務的な部分だけで、判断とか判断ミスとか、そういう「重さ」の部分は、結局こっちが抱えるしかないんですよね。ミスした夜は眠れなくなることも多いです。

相談できないプレッシャーは地味に効く

周囲に同業者が少ない地域だと、なおさらです。変な話ですが、登記の判断で迷ったとき、昔なら同期にLINEして聞いてたようなことも、今は「こんなことで聞いたら恥ずかしいかな…」と尻込みしてしまう。プライドもあるし、変にマウント取られるのも面倒で。結局、自分でグルグル悩んで疲れて終わる。それが一番きついんです。

ミスしたときに泣きたい気持ちになる瞬間

この前、ひとつ登記の提出日を1日間違えていて、依頼人からちょっと強めに怒られました。もちろんミスはこっちの責任。でも「何してんだよ」って言葉が、やけに胸に刺さって、帰り道に車の中で涙が出そうになりました。誰にも「大丈夫だよ」って言われない仕事だから、こういうときに本当に心が折れそうになります。

誰とも会話しない日もある

朝から晩まで、パソコンのキーボードの音とプリンタのガチャガチャ音だけが響いてる。そんな日、意外と多いです。仕事はしてるのに、「人と接してる」感覚が全くないんですよね。無音の世界にいるような感覚で、気づいたら夕方。声を出してないことに驚く日、正直あります。

あれ 今日声出してないなと気づく夕方

そんな日は、夜にコンビニのレジで「袋いりますか?」って聞かれたとき、うまく返事できないんです。「あ、はい…」みたいに声がかすれて。まるで声帯が固まってたかのような感覚。人と話してないと、ほんとに人間って鈍るんだなって実感します。こういう時、ふと「自分何してんだろうな」って思うんです。

依頼人とのやりとりも淡々と進むだけ

面談もあるし、書類の説明もします。でもそれはあくまで「業務上のやりとり」であって、雑談とか心の交流みたいなものはほとんどない。相手も忙しいし、こっちも緊張して丁寧に対応しているうちに、ただの形式で終わってしまう。笑い声が響くようなやりとりって、めったにありません。

友達がいないわけじゃないけど

独立前はもっと友達と気軽に飲みに行ってたし、電話もしてました。でも今は「話すことないな」と思って連絡を控えるようになり、気づけば疎遠に。友達って「共有」があってこそ続くんだなと。共有できる時間も話題もないと、自然と距離ができてしまうものなんですね。

連絡する理由もなく気づけば疎遠に

元野球部の仲間たちのグループLINEも、最近は見るだけになってしまいました。話題についていけないし、週末に誘われても「仕事で疲れてるからまた今度」と言ってしまう。断る理由があるとラクになってしまって、気づけば誰とも遊ばなくなってる。自分から閉じていってる感じもあります。

元野球部の仲間たちとの距離

あいつら、今も草野球やってるんです。たまに写真送ってくれて、「たまには来いよ」って言ってくれる。でもこっちは土日も登記の準備やら何やらでバタバタしてて、「暇ないわ」って思ってしまう。でも本当は、ちょっと羨ましくもあるんですよ。笑ってる顔見ると、「自分、何やってんだろうな…」って。

飲み会に誘われてもなんだか疲れて断りがち

たまに飲み会に誘われても、「人と会話する元気がない」と思って断ってしまう。知らない人と話すのが面倒に感じる日もあるし、何より自分の愚痴を聞かせるのも悪いと思ってしまう。そうやって、どんどん一人の時間が増えて、孤独と共存してるような日々が続くんです。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓