今日話したのはサトウさんだけだった日

今日話したのはサトウさんだけだった日

朝の静けさに違和感を覚える

玄関のカギの音だけがやけに響く

「おはようございます」一発目の声はサトウさん

テレビもラジオもつけない派の僕には辛い沈黙

午前中の業務は完璧に無音

登記申請書を前に沈黙と向き合う

誰も来ない 何も鳴らない 電話も沈黙

思わず「ピー音」でも欲しくなる

昼休み サトウさんのカップ麺の音が貴重なBGM

「今日、寒いですね」唯一の会話

会話が少なすぎて咀嚼音が妙に気になる

サザエさんのワカメ状態 返事だけの存在になっていく

午後の事件 ファイルが消えた?

探偵モード発動 誰もいないのに犯人捜し

サトウさんの冷静な一言であっけなく解決

「そこにありますよ先生」…やれやれ、、、

夕暮れとともにくる虚無感

本日の会話ログ たった4行

話しかけたいけど話題がない大人の壁

帰るサトウさんを見送り「お疲れさまです」最後のセリフ

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓