FAXが相棒スマホはただの置物だった日々

FAXが相棒スマホはただの置物だった日々

FAXが相棒スマホはただの置物だった日々

静かすぎるスマホに違和感を覚える朝

通知ゼロの画面に映る自分の影

スマホの画面は、今日も静まり返っている。通知はゼロ。充電コードは差したまま。寝起きに手に取るも、まるで陶器のように冷たい。ニュースアプリは未読のまま。
それでも、朝6時半にはピピピと律儀に鳴る。「ただの目覚ましとしてなら悪くない」と呟き、洗面所に向かった。

起動音すら懐かしくなったスマート端末

そのうち起動音の存在すら忘れた。今のスマホは無音で始まり、無音で終わる。「スパイ映画の道具かよ…」思わず口にした言葉に、自分で苦笑する。

それでも目覚ましだけは使っている不思議

唯一の活躍の場が「目覚まし」。しかも寝坊する日もある。「やれやれ、、、おまえ、せめて朝だけは仕事してくれよ」と、毎朝ツッコミを入れるのがルーティンになった。

ギイィィと鳴るFAXに今日も助けられる

紙とインクが作る安心感

司法書士としての朝は、FAXの起動音から始まる。「ギイィィ…ピポピポ…」という昭和の機械音が、今日も事務所に響く。紙が吐き出される音が、なぜか妙に安心感をくれるのだ。

サトウさんの「まだFAXなんですね」発言に傷つく

「先生、今日もFAX来てますけど、そろそろクラウドにしませんか?」うちの事務員、サトウさんは優秀だ。だがこの手の無邪気な一言が、心にグサッと刺さる。

それでも「受信音が好き」なんて言われてちょっと嬉しい

「でもあの音、なんか安心しますよね。小学生の頃、親の会社で聞いたことある気がして」…それを言うなら私は昭和の遺物ということになるが、まんざらでもない。

なぜかスマホよりFAXの方が信頼できる

PDFより紙が安心な理由を語らせてほしい

紙には「消えない安心」がある。PDFは一瞬で上書きされるが、紙はコーヒーをこぼすまでは無事だ。サザエさんの波平のように、「昔ながらの手段が一番だ」とつぶやいてしまう。

LINEではなくFAXで送る業者との連携プレイ

建設会社の社長からの連絡もFAX。「兄ちゃん、スマホとか信用ならんのや」と言ってた。同志を見つけたようで、思わずニヤけてしまった。

サトウさんの冷たい視線と優しいツッコミ

「先生、QRコード読めないのまたですか」

最近では、取引先の案内もすべてQRコード。「読み取れないPDF」という名の罠が多い。「先生、また拡大しすぎてスクショ撮ってるでしょ」…バレていた。

やれやれと嘆きながらもどこか救われる日常

ツッコミのある日常はありがたい。誰にも突っ込まれない生活の方が、実は寂しい。今日もFAXとサトウさんに支えられて、私は生きている。

元野球部だった自分とFAXとの共通点

泥だらけでも最後までプレーしたあの頃

ノーアウト満塁で回ってきた打席。空振り三振でベンチに戻った悔しさは、今も忘れない。ベンチの仲間が「おまえらしいな」と笑ってくれた。FAXのガーガー音にも、そんな笑いがある。

壊れかけても最後まで働くFAXの根性

一度、紙詰まりで悲鳴をあげたFAX。工具片手に解体して、「直ったぞ」と言った瞬間、また詰まった。それでもまた、頑張って動いている。

スマホに嫉妬するFAXの妄想劇場

「あいつはただの置物だ」と語るFAXの声が聞こえる

スマホ「おれ、AI積んでるんだけど」FAX「黙って紙送れるか?」…深夜、そんな妄想をしながら作業していると、なぜか涙が出そうになる。

電源落ちたスマホに勝ち誇るFAX

スマホの電源が切れているとき、FAXがブンブン動いている。「勝ったな」と思ってしまう自分に、また苦笑い。

結局最後まで頼れるのはアナログだった

スマホを封印してからの方が仕事がはかどる矛盾

通知が鳴らないことが、こんなにも集中力を生むとは。連絡は遅れてもいい。でも確実に届いてくれ。FAXはそれを守ってくれた。

FAXよ、おまえだけは裏切らなかった

どんなに時代が進もうとも、あの音が鳴る限り、私は今日もこの仕事を続けられる。やれやれ、、、だけど、それも悪くない。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓