急ぎでお願いしますって今日中のことなんですか

急ぎでお願いしますって今日中のことなんですか

急ぎでお願いしますって今日中のことなんですか

「急ぎでお願いします」って、よくある言葉です。でも、あれって一体どれくらいの“急ぎ”を指してるんでしょうか。最近もありましたよ。午後3時に電話で「今日中に仕上げていただけますか?」って。こっちはもうすぐ別件の登記申請で外出するところで、すでに書類の山が机に積もってる。なのに、なぜか“今日中”が当然のように押し寄せてくる。どうして依頼主の「急ぎ」が、私たちの「無理」とイコールでつながっているのか。言いたくても言えないもどかしさと、自分の性格の弱さにイラッとしながら、また一つ溜息をつくのです。

本当に今日中に必要なんですかと聞けない空気

「今日中って、本当に今日じゃないとダメなんですか?」と聞き返したい。でも、その一言が言えない。そんな空気がこの仕事にはあります。たぶん私が優しすぎるせいもあるんでしょうけど、相手に「じゃあ他の人に頼みます」とか言われるのが怖い。今まで築いた関係が崩れるんじゃないかとビビって、結局自分でなんとかしようと背負ってしまう。相手に悪気がないのは分かってるんです。でもね、もうちょっとだけこちらの事情にも想像力を働かせてほしい。無理を通してるのは、あっちなのに、こっちが気を使ってるなんて、なんだかおかしいですよね。

相手にとっての急ぎとこちらの急ぎは違う

ある依頼者が「急ぎです!」と書類を持ってきたことがありました。こっちは昼過ぎから予定がぎっしり。でも急ぎと聞けばやるしかないと判断して、資料確認から公証役場への問い合わせ、登記手続きの下準備まで一気に終わらせたんです。翌日、「昨日の件、まだ手を付けてないですよね?」と依頼者から電話が来たときは、さすがに目の前が真っ白になりました。え?あれって“急ぎ”じゃなかったの?こっちはカップラーメン片手に書類作業してたんですけど。そんなすれ違い、けっこうあります。

頼まれたら断れない性格が損をする

昔から「断るのが苦手」って言われてました。高校の野球部でも、雑用とか率先してやっちゃうタイプ。司法書士になってからもその性格が抜けず、結果としてどんどん仕事が増えていく。「急ぎ」と言われたら、「はい」と答えてしまう自分にイライラするけど、それを変えられない。先日も、すでに手一杯だったのに追加で「急ぎ案件」が舞い込んできて、結果として夜の9時にコンビニ弁当を食べながらPCを叩いていました。やるせないです、ほんと。

昼飯を削ってでもやるべきかの葛藤

「今日中ですか?」と聞くと「はい、なるべく…」と微妙な返事。こうなるともう、昼休みを削るしかない。最近、外で定食を食べたのがいつか思い出せないほど、昼はコンビニおにぎりで済ます日々です。お腹が鳴りながらも、「あの件どうなりましたか?」という催促の電話に追われ、口にしたご飯の味も分からない。忙しさのせいで味覚も感情も麻痺してきてるのかもしれません。これ、本当に健康的な働き方なんでしょうか。

外食の夢を諦めてコンビニおにぎりへ

「今日は久しぶりに定食屋で唐揚げ定食でも食べよう」と思った矢先、「急ぎの件で、午後一で確認してもらえませんか?」の電話。そこで私の唐揚げは幻と化しました。仕方なく近くのコンビニでおにぎりと味噌汁を買い、事務所で急ぎの資料とにらめっこ。別に誰も悪くない。でも、こうやって“楽しみ”が一つ一つ削られていくのは、なんとも言えない悲しさがあります。

それでも誰にも感謝されない現実

頑張って急ぎ対応しても、相手からの「ありがとうございました」の一言すらないことも多い。先日なんて、無理してその日のうちに処理した案件に対して、「思ったより時間かかりましたね」と言われました。いやいや、こっちは睡眠時間削ってやったんですけど。司法書士って、評価されにくい仕事なんだとつくづく感じます。淡々と、黙って処理する人が求められている。それってなんだか、悲しいですよね。

終業間際のメールに震える指

「さて、今日はもう終わりだな」とホッとした瞬間にピコンと届くメール。そのタイトルが「至急ご対応お願いします」だったときの絶望感といったら、もう…。帰り際の足取りが一気に重くなり、椅子に腰を戻すしかない。これ、誰しも一度は経験あるんじゃないでしょうか。まるでゴールテープが急に遠のいたような気分になります。

定時前の着信はろくなことがない

午後4時58分、あと2分でタイムカードを押せるという瞬間に鳴る電話。それがたいてい「ちょっと急ぎでお願いしたいんですが…」なんですよね。もうちょっと早く連絡くれたらと思いながら、「はい、分かりました」と応じてしまう自分が情けない。帰りの電車の中で、自分の無力さをかみしめる時間が増えていきます。

明日では駄目ですかと聞く勇気が欲しい

たまには「それ、明日じゃだめですか?」って言ってみたい。でも、そんな一言が怖くて言えない。何度もシミュレーションはするけど、口に出すと「なんだ、やってくれないんだ」とがっかりされそうで踏み出せない。たぶん、怖がりなんでしょうね。自分を守る言葉すら言えない。司法書士って、もっと強くなきゃダメなのかもしれません。

急ぎの依頼に限って資料が揃っていない

「急ぎで!」と言われて受け取った資料が、肝心な書類が抜けている…。これ、めちゃくちゃよくあります。すぐ対応したいけど、こっちは一度仕事を止めて、「○○が不足しています」と連絡して、戻ってくるのを待たなきゃいけない。急ぎって言うからこっちも急いでるのに、なぜか進められない。この矛盾にイライラしない人っているんでしょうか。

結局こちらで補完してあげる羽目に

資料が足りないまま放っておけないので、法務局に照会したり、過去の書類を掘り起こして補完したりします。結果的に相手には何も言われず、「ありがとうございます」すらない。「なんとかしてもらって助かりました」とか、たまには言ってもらえたら、少しは救われるんですけどね。でもそういう期待は、だいたい裏切られます。

それが当然のような扱いにモヤモヤする

最初のうちは、「こちらで補っておきましたよ」とか言っていたんですが、最近はもう言わなくなりました。だって、それが当たり前だと思われるのが悔しいから。司法書士の仕事って、見えないところでの調整や確認が本当に多い。だからこそ、少しの「ありがとう」が沁みる。けど、それがもらえないときの寂しさといったら、ちょっと泣きそうになります。

急がせた相手ほど音沙汰がない不思議

「急いでます!」と騒いでいた依頼者ほど、その後の連絡がまったくない。こっちは一晩かけて仕上げて、送信も済ませて、さあ次…と思ったのに、数日音沙汰がない。念のため電話してみると「ああ、まだ確認してません」って。え、あんなに急がせたのは何だったんですか…。この現象、本当に不思議です。

提出期限の確認をしないまま丸投げ

よくあるのが、「いつまでに出すんですか?」とこちらが聞かないと、相手も把握していないというパターン。急ぎ急ぎと言いながら、実は提出期限が翌週だったなんてことも珍しくない。こっちが勝手に焦って、結果として空回り。書類も準備も無駄じゃないけど、「今日中」の意味、もっとちゃんと共有してくれたら助かるのに…と思います。

こっちだけが焦って損して終わる

最終的に一番損をするのは、だいたいこっち。急ぎでバタバタ動いて、他の予定を後回しにして、でも相手からは何のフォローもなし。結局、自分が振り回されただけで終わってしまうことが多い。そういうときに限って、終業後の帰り道が妙に長く感じるんです。誰にも見られない努力って、たまに報われてほしいですね。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。