休みたくても仕事は積まれていく毎日

休みたくても仕事は積まれていく毎日

朝起きた瞬間から仕事が頭を支配する

司法書士をしていると、「仕事が終わる」という感覚があまりない。朝、目を覚ました瞬間に「今日の登記は間に合うか」「電話は何件かかってくるか」といった考えが、コーヒーより先に頭に浮かんでくる。まるで仕事が夢と現実の境界線を消してしまったかのように、日常に染み込んでいる。以前は朝起きて、天気が良ければちょっと散歩でもしてから出勤していた。でも今は、枕元に置いたスマホを手に取り、メールチェックから一日が始まる。仕事の存在感が、日常を静かに、でも確実に圧迫してくるのだ。

目覚ましと同時に押し寄せる現実

朝の目覚ましは、音というよりも「現実への扉を開ける合図」になってしまった。かつては「よし、今日も頑張ろう」と思えたのに、今は「また今日もやることが山積みだ」とうんざりすることの方が多い。独立して10年以上、地方の小さな事務所を1人で切り盛りしていると、仕事が減ることなんてない。しかも最近では相続や商業登記の依頼が急に増えて、土日も事務所に顔を出すのが当たり前になっている。こんな状況じゃ、気持ちのスイッチを入れるのも一苦労だ。

寝ても疲れが取れないのはなぜか

睡眠時間は確保しているはずなのに、朝起きるとどっと疲れている。体は休んでいるつもりでも、脳が仕事モードから抜け出せていないのだろう。何度も夜中に目が覚めて、ふと「あの書類、ちゃんと訂正したかな」と気になって眠れなくなることもある。休むべきときに休めない。それが積み重なって、慢性的な疲労感になっているのを自覚している。

仕事の夢を見るようになったら要注意

夢の中でも仕事をしている自分に気づいたとき、さすがに「これはまずいな」と思った。夜中に登記申請書を必死に打ち直している夢を見たときなんて、起きてからもしばらく現実との区別がつかなかった。これはもう、仕事が自分の中で“日常”ではなく“侵食”になってきている証拠だと思う。誰にも愚痴れず、心の中に閉じ込めていると、夢の中にまで現れるのかもしれない。

「疲れた」なんて言えない空気

司法書士という職業は、ある意味“頼られてなんぼ”の仕事だ。だからこそ、簡単に「疲れました」とは言いづらい。特に事務員の前では弱みを見せたくないという思いが強くなる。支えてくれている存在に対して、情けない姿を見せるわけにはいかない、そんな変なプライドが邪魔をする。

事務員に弱音を吐けない理由

今いる事務員さんは、年下だけどすごくしっかりしている子だ。日々の事務処理も正確で、助けられる場面が多い。ただその分、こちらがダラけたり、弱音を吐いたりすると、事務所全体の雰囲気が緩んでしまうような気がしてならない。だから、たとえどれだけしんどくても、表向きは「大丈夫ですよ」という顔をしてしまう。

頼られる側の孤独と責任感

「先生が元気じゃないと回らないですから」と笑ってくれる事務員さんの言葉が、嬉しいようで怖い。期待されるのはありがたいけど、それが重荷にもなる。誰も自分を見ていないようで、実はちゃんと見ていて、信頼を寄せてくれている。その信頼を裏切れないという気持ちが、さらに自分を追い込んでいく。

支える側に甘えることの難しさ

本当は「今日はしんどいから早退したい」とか「代わりにお願いしてもいい?」と言えたらどれだけ楽か。でも支える側に甘えるというのは、なかなかできることじゃない。相手を困らせたくないという思いや、結局は自分がやった方が早いという現実がそれを阻む。誰かに甘えられる人がちょっとうらやましいと思う瞬間もある。

休みがあっても気が休まらない現実

一応、定休日はある。でも「定休日=休める日」とは限らない。実際には書類整理や顧客対応、時には登記所への申請で、休日も潰れる。しかも、たまたまその日にトラブルがあれば、あっという間に休日は“対応日”に早変わりする。

メール一通で心がザワつく休日

日曜日の午前10時。スマホが鳴ってメールを確認すると、「急ぎで登記が必要です」とのメッセージ。たったそれだけで、穏やかだった休日の空気が一変する。その瞬間、頭の中はもう仕事モードになってしまう。心が休まらないとはこのことだ。

土日祝でも止まらない依頼の通知

昔は「土日はお休みいただいています」とはっきり言えていた。でも今は「急ぎなら対応します」と自分から言ってしまう。おかげで、依頼がどんどん積もってくる。LINE、メール、留守電…静かな週末に響く通知音が、今ではちょっとした恐怖の合図になってしまった。

結局事務所に来てしまう自分

「今日は家でゆっくりしよう」と思っても、気になって結局事務所に来てしまう。あの書類ちゃんと片付けたっけ、あの案件まだ返事が来てないな、など気になることばかり。結局、事務所の鍵を開けてパソコンを立ち上げ、気づいたら数時間仕事をしている。休むって、本当に難しい。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓