コンビニのレジが今日の唯一の会話相手だった日

コンビニのレジが今日の唯一の会話相手だった日

  1. いつからこんな毎日になったのか
    1. 朝の静けさが身にしみる
    2. 会話のない仕事と生活
      1. 電話もメールも無機質
      2. 声を出さない時間が怖くなる
  2. 司法書士という仕事の孤独
    1. 人と会うのに人と話さない職業
    2. クライアントとの関係は一方通行
      1. 感情よりも正確さが求められる
      2. 感謝よりもミスの指摘が先に来る
  3. サトウさんの不在がもたらす静寂
    1. 頭の中の独り言が増えていく
    2. 返事のない空間に言葉が吸い込まれる
  4. コンビニの自動ドアが開く音に救われる
    1. 「温めますか?」は魔法の言葉
      1. 名前も知らない店員との関係
      2. 小さなやり取りが心をつなぐ
  5. たった一言のやりとりがくれる安心感
    1. レジの前でちょっと背筋を伸ばす
    2. 会話じゃない会話に気づくとき
  6. どこにも吐き出せない孤独と向き合う
    1. 「話したい」ではなく「声を出したい」
    2. 孤独の中の「他人」という希望
  7. 仕事帰りに寄る理由はもう一つある
    1. おにぎりよりもレジの「ありがとうございました」
    2. 自分の存在を確認できる数秒
  8. 過去の自分に言ってやりたい
    1. 忙しいほど孤独になるって知ってたか?
    2. 年を取ると会話が貴重品になる
  9. 小さな会話を大切にできる自分でいたい
    1. 話しかけられる人間でありたい
    2. レジの店員に感謝する日がくるとは
  10. 今日もまたあのコンビニに向かう
    1. 「温めますか?」に救われた男の一日
    2. やれやれ、、、人は声なしでは生きられないらしい

いつからこんな毎日になったのか

朝、目が覚めても誰にも「おはよう」と言わない。誰からも言われない。テレビをつけるとサザエさんの再放送。波平の「バカモン!」が妙に染みる。彼には家族がいる。こっちは枕元の目覚まし時計が唯一の話し相手だ。

朝の静けさが身にしみる

味噌汁の湯気が立ちのぼる音だけがキッチンに響く。猫でもいればまだ違ったかもしれない。独身司法書士、シンドウ45歳。テレビもスマホも朝から声をかけてはくれない。

会話のない仕事と生活

電話もメールも無機質

事務所に着けば、メールの山と電話応対。でもそこに“会話”なんてない。全部、業務連絡と確認事項の連続だ。ハンコと書類の海を泳いで、気づけばもう夕方。

声を出さない時間が怖くなる

ふと、今日まだ自分の声を聞いていないことに気づく。サトウさんが休みの日は特にそうだ。誰かと話した記憶がない。独り言をつぶやこうとして、喉が乾いていることに驚いた。

司法書士という仕事の孤独

人と会うのに人と話さない職業

登記、相続、会社設立。人の人生の節目に関わるくせに、こちらはその裏方。会話は最小限で、信頼は正確な処理にしか宿らない。

クライアントとの関係は一方通行

感情よりも正確さが求められる

「ありがとう」より「間違ってないですよね?」が先に来る世界。慣れているけど、たまには人間らしい会話が欲しくなる。

感謝よりもミスの指摘が先に来る

完璧にやって当たり前。ミスは即クレーム。誤字一つが命取り。気がつけば、書類の山の中に自分の感情も埋もれていく。

サトウさんの不在がもたらす静寂

頭の中の独り言が増えていく

「これは登記識別情報付き…」「あ、これは添付書類…」とつぶやく。誰も聞いていないのに。聞かれても困るけど。

返事のない空間に言葉が吸い込まれる

サトウさんがいれば「これコピーしておきますね」と返してくれる一言がある。でも今日は違う。事務所に響くのはプリンターのガタゴト音のみ。

コンビニの自動ドアが開く音に救われる

「温めますか?」は魔法の言葉

名前も知らない店員との関係

夜八時、ようやく仕事を切り上げ、近所のコンビニへ。顔なじみのレジ担当の青年。いつもと変わらぬ「いらっしゃいませ」。

小さなやり取りが心をつなぐ

「このお弁当、温めますか?」「…お願いします」。たったそれだけの会話。でも、今日はそれが一番の対話だった。

たった一言のやりとりがくれる安心感

レジの前でちょっと背筋を伸ばす

「Tポイントカードはお持ちですか?」の問いかけに、思わず「持ってません」と声を張る。なんだか、ちゃんと生きている気がした。

会話じゃない会話に気づくとき

探偵漫画のモノローグみたいに頭の中で「この瞬間、俺の孤独が少しだけ解かれた」とつぶやく。やれやれ、、、くだらないな、と思いながらも少し笑えた。

どこにも吐き出せない孤独と向き合う

「話したい」ではなく「声を出したい」

本当は誰かと語り合いたいわけじゃない。ただ、「ああ」とか「うん」とか、口を動かす相手がほしいだけなのかもしれない。

孤独の中の「他人」という希望

レジに立つ誰かがいてくれる。機械じゃない、息をしている人間がそこにいる。そのことが、思ったより救いだった。

仕事帰りに寄る理由はもう一つある

おにぎりよりもレジの「ありがとうございました」

ご飯なんて適当でいい。でも「ありがとうございました」には何かしらのぬくもりを感じる。

自分の存在を確認できる数秒

袋を受け取る一瞬。自分の存在が誰かに認識されているという感覚。そのわずかな時間に、今日もなんとか救われている。

過去の自分に言ってやりたい

忙しいほど孤独になるって知ってたか?

若い頃の自分は、仕事が充実すれば孤独とは無縁になると思ってた。でもそれは逆だった。

年を取ると会話が貴重品になる

一日誰とも話さなかった、なんて日が珍しくなくなった。会話って、あたりまえじゃない。高級品みたいなものだ。

小さな会話を大切にできる自分でいたい

話しかけられる人間でありたい

たとえそれが「レジ袋いりますか?」でも。ちゃんと返事をしたい。嫌われないように。いや、誰かとつながるために。

レジの店員に感謝する日がくるとは

まさか、自分があの無表情なレジ係に感謝する日が来るとは。でも、今ならわかる。あの一言がどれだけ価値あるか。

今日もまたあのコンビニに向かう

「温めますか?」に救われた男の一日

明日もまた一人かもしれない。でも、きっとまたレジの前で、「お願いします」と言うだろう。それが、今日の自分を支えている。

やれやれ、、、人は声なしでは生きられないらしい

誰かの声を求めて、今日もまた、あの自動ドアの音を聞きに行く。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。





私が独立の時からお世話になっている会社さんです↓