「登記が間に合わない」と泣かれて、心の中も締め切られた日。

「登記が間に合わない」と泣かれて、心の中も締め切られた日。 突然の電話、「泣かれても…」と思いながら受けた一本 その日は、朝から依頼の確認と補正の連絡に追われていた。昼過ぎ、スマホが鳴り、何の気なしに出た一本の電話が、妙に湿った声だった。「...

昼ごはんを誰かと食べた記憶が、まるでない

昼ごはんを誰かと食べた記憶が、まるでない ふと気づけば、昼休みはずっと一人だった ある日、何気なく自分の昼休みの過ごし方を振り返ってみた。気がつけば、誰かと一緒に昼ごはんを食べた記憶がまったく思い出せない。司法書士として独立して十数年、忙し...

その一本で、全部ズレた。——予定を飲み込む“電話の魔力”

その一本で、全部ズレた。——予定を飲み込む“電話の魔力” 朝の段取りは完璧だったはずなのに 朝7時に起きて、コーヒー片手にスケジュール帳を確認。今日は珍しく予定がきれいにまとまっていて、これなら夕方には事務所を出られるかもしれない──そんな...

誰も口を開かない40分──公正証書作成の現場で起きた静寂

誰も口を開かない40分──公正証書作成の現場で起きた静寂 40分間、誰も喋らない──あの日の空気を忘れられない 「じゃあ、始めましょうか」。公証人のその一言を最後に、場の空気が完全に止まった。依頼者もその相続人も、公証人も、そして私も、誰一...

誰か代わりにやってくれないかな

誰か代わりにやってくれないかな 誰か代わりにやってくれないかな──独り言が本音になる日 「誰か代わりにやってくれないかな」。これは、僕が一日に一度は心の中でつぶやいてしまう言葉だ。司法書士としての仕事は、決して派手ではないけれど、一つ一つが...

誰かに優しくされると、涙がこぼれそうになる夜に

誰かに優しくされると、涙がこぼれそうになる夜に 優しさに触れた瞬間、崩れ落ちそうになる自分がいる 司法書士という職業は、日々の業務の中で「感情」をしまい込む癖がついてしまう。依頼人との会話も淡々とした事務的なやり取り。家に帰っても一人、夕飯...

静かな午後が怖くなる日——司法書士として働く孤独と不安

静かな午後が怖くなる日——司法書士として働く孤独と不安 静かな午後が訪れるとき、なぜか胸騒ぎがする 午前中のバタバタが一段落して、ふと時計を見ると午後2時。電話も鳴らず、来客もない。穏やかなはずの午後の空気に、なぜか心がざわつくことがある。...

「強いですね」と言われても、そんな余裕はどこにもない

「強いですね」と言われても、そんな余裕はどこにもない 「強いですね」と言われても、そんな余裕はどこにもない 「強いですね」の言葉が、実はしんどい 「先生は強いですね」と依頼者に言われたのは、ちょうど立て込んだ登記が重なっていた時期だった。書...

アップデートについていけない僕らへ――地方司法書士、取り残される日々

アップデートについていけない僕らへ――地方司法書士、取り残される日々 気づけば「それ、古いですよ」と言われる ついこの前も、若い依頼者から「メールじゃなくて、LINEでやりとりできませんか?」って言われた。いや、できるんだけど、こっちはまだ...

相続登記、書類全部捨てちゃったってよ──司法書士の叫び

相続登記、書類全部捨てちゃったってよ──司法書士の叫び 相続登記の依頼人、開口一番「書類?全部捨てました」 ある日の午前中、電話で「相続登記をお願いしたいんです」と元気に話していた依頼人が、実際に事務所へやってきて第一声。「あ、書類?全部捨...

連休明け、留守電に怯える午前9時

連休明け、留守電に怯える午前9時 連休明け、スマホに残る不在着信の恐怖 休み明けの朝、スマホの通知音で目が覚める。カレンダーは火曜日。昨日までの連休が夢だったように現実が襲ってくる。画面には「不在着信3件」「留守番電話2件」。それだけで、心...

公証役場の待ち時間が、いちばん心が落ち着く時間になってしまった話

公証役場の待ち時間が、いちばん心が落ち着く時間になってしまった話 公証役場の待ち時間が、いちばん心が落ち着く時間になってしまった話 公証役場の静けさが、今の自分にはちょうどいい 地方で司法書士をしていると、日々の業務に追われて自分の時間なん...

事務員さんに気を遣いすぎて、そろそろ自分が壊れそうだ

事務員さんに気を遣いすぎて、そろそろ自分が壊れそうだ 気を遣うことが前提になってしまった日常 もう何年も一人で司法書士事務所を運営しているけれど、今の事務員さんを雇ってからというもの、妙に自分が「気配りマシン」になってしまっているような感覚...

忙しそうだねと言われたあと、返す言葉が見つからない日々

忙しそうだねと言われたあと、返す言葉が見つからない日々 その一言が胸に刺さる:誰かに「忙しそうだね」と言われた瞬間 「忙しそうだね」。ほんの軽い一言のはずなのに、その言葉をかけられるたびに、胸の奥がチクリと痛む。別に怒っているわけじゃない。...

気づいたらまた補正通知が届いてた──疲弊する現場と僕の心の処理能力

気づいたらまた補正通知が届いてた──疲弊する現場と僕の心の処理能力 また来たか…補正通知の封筒を見るだけで胃が痛い ある朝、机の上に見慣れた封筒が置かれていた。少し分厚くて、文字が赤くて、何より見た瞬間に「うわ…」と声が漏れた。補正通知。司...