レジの「ありがとうございます」が、今日いちばんの会話だった

レジの「ありがとうございます」が、今日いちばんの会話だった 静まり返った事務所で、音を立てるのはプリンターだけ 午前9時の開業。鍵を開けて誰もいない事務所に入ると、冷たい空気と静寂に迎えられる。唯一の事務員さんは週の半分しか来ない。電話も鳴...

幸せって、どこに落ちてるんだろうな

幸せって、どこに落ちてるんだろうな 気づけば「幸せ」って言葉を使わなくなっていた ふとした瞬間、「最近、自分は幸せなのか?」と考えることがある。でもその問いに対して、明確に「はい」と言えた試しがない。司法書士として日々働き続けているうちに、...

渡す相手のいない合鍵と、錆びないように保つ心の話

渡す相手のいない合鍵と、錆びないように保つ心の話 渡す相手のいない合鍵と、錆びないように保つ心の話 独りの事務所、増えていく鍵 司法書士という仕事柄、鍵は増える。事務所の出入口、書庫の金庫、郵便受け、自宅に実家。そして、なぜか余っている合鍵...

連休が逆にしんどい司法書士の話。休みがあると、心がささくれる

連休が逆にしんどい司法書士の話。休みがあると、心がささくれる 世間は連休、こっちはむしろプレッシャー 連休という言葉に、世間の多くの人は喜びを感じるのだろう。でも、僕のような地方の司法書士にとっては、むしろプレッシャーの象徴に近い。事務所を...

雨音よりも静かな事務所――来所キャンセルの連鎖反応

雨音よりも静かな事務所――来所キャンセルの連鎖反応 雨が降ると事務所が静まりかえる理由 朝、目が覚めて窓の外が白くけぶっていると、もう気分が沈む。雨の日は、電話が鳴るより先に「今日は誰も来ないかもしれないな」と覚悟している自分がいる。地方で...

書類は山ほどあるのに、会話はゼロ件 〜寂しがり司法書士の日常〜

書類は山ほどあるのに、会話はゼロ件 〜寂しがり司法書士の日常〜 書類の山に埋もれて、今日も独り言が増えていく 朝から届く書類、依頼者からの電話、郵便物のチェック。忙しい一日が始まったはずなのに、ふと気づくと誰とも会話をしていない。気づけば独...

「結婚式の話より相続トラブルの方が盛り上がる」僕の悲しき人生経験値

「結婚式の話より相続トラブルの方が盛り上がる」僕の悲しき人生経験値 結婚式に呼ばれない年齢になってきた 気づけば、結婚式に呼ばれることがめっきり減った。若いころは春になるたびに誰かの招待状が届いていたけれど、今はポストに入るのは税務署からの...

完璧な書類ほど、なぜか一番怖いと思う日常

完璧な書類ほど、なぜか一番怖いと思う日常 ぱっと見「完璧」な書類に感じる妙な違和感 日々、登記や契約書の確認をしていると、時折「完璧に整った書類」と出会うことがある。誤字も脱字もなく、余白の使い方まで美しい。形式としては100点満点、申し分...

年末調整より、自分の心の整理が大変

年末調整より、自分の心の整理が大変 年末調整の書類は片づいても、気持ちは片づかない 年末調整の時期になると、司法書士としての「お仕事モード」が加速する。書類の山、確認の嵐、期限への追われ感。これは毎年のことだし、ある種の「ルーティン」にすぎ...

ペットもいない部屋にただいまを言う

ペットもいない部屋にただいまを言う 誰もいない部屋に「ただいま」を言う夜 仕事が終わり、夜の道をとぼとぼと歩いて帰る。ふと気づくと、ポケットの中の鍵が冷たく感じる。ドアを開けても、当然だが誰もいない。「ただいま」と口に出してみるが、それが壁...

よくがんばってるよって、年に一度でいいから言われたい

よくがんばってるよって、年に一度でいいから言われたい 「がんばってますね」のひと言が、どれほど救いになるか 司法書士をやっていて、一番きついのは「誰にも見られてない感」かもしれません。手続きは地味で、成果が見えづらい。トラブルが起きないよう...

「何もしてないように見える」って言われる仕事の、何も知らない人へ

「何もしてないように見える」って言われる仕事の、何も知らない人へ 「何もしてないように見える」って言われる仕事の、何も知らない人へ パソコンの前で座ってるだけに見えるらしい 司法書士という仕事は、傍から見ると「じっと座っているだけ」「書類を...

疲れ切った日に、依頼者の笑顔だけが残った

疲れ切った日に、依頼者の笑顔だけが残った もう限界だと思った、その帰り道 あの日も、いつも通りに時間に追われていた。朝から登記の準備に追われ、銀行と法務局を往復し、午後には相続の相談が2件。昼飯をコンビニでかき込んだだけなのに、消化すらされ...

最近、人と会うのがしんどい。そんな司法書士の日常

最近、人と会うのがしんどい。そんな司法書士の日常 ふと気づいたら、誰にも会いたくなくなっていた 以前は誰かに会うのがそこまで苦ではなかった。むしろ、多少なりとも「話すことで気がまぎれる」と思っていた。それが最近は、誰かと予定が入っているだけ...

登記は完璧、でも生活は未登記。

登記は完璧、でも生活は未登記。 書類の中では間違えないのに、生活では迷いっぱなし 日々の仕事では、細かいチェックを何重にも重ね、登記ミスが出ないよう神経を尖らせています。字の一画を見逃さず、添付書類の漏れもないよう確認する。それなのに、生活...