公正証書作成の立ち会いが終わらなくて心が折れそうになる日

公正証書作成の立ち会いが終わらなくて心が折れそうになる日

どうしてこんなに長いのかと思ってしまう瞬間

公正証書の作成に立ち会うというのは、司法書士にとって“よくある仕事”のひとつではあるものの、「これはいつまで続くんだろう」と感じる場面が珍しくありません。書類の確認、文言の読み上げ、質問と説明の繰り返し。その場にいる全員が納得するまで終わらない。それは理解しているし大切な工程だとは分かっていても、あまりにも長時間に及ぶと、心の中で「もう許してくれ」と叫びたくなることがあります。

最初の10分はまだ余裕がある

開始直後はまだ気持ちにも余裕があります。これから流れる手順も、話す内容も、おおよそ想像がついているからです。何度もやってきたパターンです。相手が初めてでも、こちらは慣れた説明で進めていきます。ただ、すでに相手の表情が不安そうだと、この先の長丁場が予感されるのもこの段階です。

慣れた説明なのに相手は初めて

たとえば遺言公正証書の立ち会いでは、依頼者が高齢者の場合が多く、家族も付き添いで緊張していることが多いです。こちらは「よくあるパターン」で進めようとしても、相手にとっては人生初の一大イベント。言葉ひとつひとつに重みがあり、こちらの意図どおりに進むとは限りません。

微妙な沈黙と空気の重さが続く

特に確認事項の段階で、微妙な沈黙が続く時間があると、空気がどんよりと重くなってきます。質問しても返事がなかったり、「ちょっと考えさせてください」と言われてしまうと、その時間がそのまま膠着状態になります。気まずいけれど待つしかない。沈黙に耐えるのも、仕事のうちとはいえ、やはりしんどい瞬間です。

30分を過ぎたあたりから心の声が漏れそうになる

30分、40分と経過する頃には、机の下でこっそり足を組み替えたり、背中を伸ばしたくなったりします。「あとどのくらいかかるのだろう」と思い始めたら、集中力は切れ始め、頭の中では他の業務のことが浮かんできます。けれども、その場ではただ静かに“いい人”を装っているだけ。地味につらい。

これって本当に必要なんですかと思いつつ

制度上は必要な手続きであり、誰かがやらねばならないこと。でも内心、「ここまで時間かけて、そこまで細かく調整しなきゃいけないのか」と思ってしまうのも本音です。形式的な部分にこだわりすぎて、現実との乖離を感じることも少なくありません。

時計を見る回数が増えてくる

ふと腕時計を見る。その瞬間、「まだこれしか経ってないのか」と思ってしまうと、時間の感覚がさらに遅くなって感じます。何度も時計を見るのもみっともないけど、気になってしまう。そんな自分に自己嫌悪すら覚えるようになると、いよいよメンタルが削れてきます。

立ち会いにおける司法書士の立場とは何なのか

私は司法書士として、あくまで“立会人”として現場にいるはずなのに、いつの間にか説明役や調整役、時にはカウンセラーのような役割まで担わされてしまいます。たしかに便利屋ではあるけれど、もう少し明確な線引きがあっても良いのではないかと感じることもあります。

あくまで立会人だが求められることはそれ以上

立ち会いの法的な役割は明確です。第三者としてその場にいて、公正証書がきちんと当事者の意思に基づいていることを確認すること。なのに、実際の現場では「この文言でいいんでしょうか?」とか、「こういう場合どうなりますか?」と質問攻めに遭うことが多く、実務上は半分コンサルティング状態になってしまいます。

弁護士と誤解されることも日常茶飯事

「先生は弁護士さんですよね?」と聞かれるたびに訂正はしますが、そのたびに「じゃあ、何が違うんですか?」と聞かれます。説明しても結局は「よくわからないけど法律の人ですよね」とまとめられてしまう。別に肩書きにこだわりはありませんが、誤解されたまま話が進むと、後々トラブルになりかねないので気を遣います。

説明役も進行役もこちら持ち

公証人が中心ではありますが、実際の進行は司法書士が引っ張ることが多いです。とくに相手が高齢だったり、法律に詳しくない方だったりすると、こちらがやわらかい言葉に変換して伝えることが求められます。それ自体は嫌ではないのですが、役割の幅が広すぎると、終わる頃にはぐったりしている自分がいます。

あなた: html形式にしてコピペできる形で出力してください ダウンロードファイルにはしないでください。!DOCTYPE htmlからスタートしてhtmlを閉じるところまで書いてください。最後まで出力してください。 公正証書作成の立ち会いが終わらなくて心が折れそうになる日

どうしてこんなに長いのかと思ってしまう瞬間

公正証書の作成に立ち会うというのは、司法書士にとって“よくある仕事”のひとつではあるものの、「これはいつまで続くんだろう」と感じる場面が珍しくありません。書類の確認、文言の読み上げ、質問と説明の繰り返し。その場にいる全員が納得するまで終わらない。それは理解しているし大切な工程だとは分かっていても、あまりにも長時間に及ぶと、心の中で「もう許してくれ」と叫びたくなることがあります。

最初の10分はまだ余裕がある

開始直後はまだ気持ちにも余裕があります。これから流れる手順も、話す内容も、おおよそ想像がついているからです。何度もやってきたパターンです。相手が初めてでも、こちらは慣れた説明で進めていきます。ただ、すでに相手の表情が不安そうだと、この先の長丁場が予感されるのもこの段階です。

慣れた説明なのに相手は初めて

たとえば遺言公正証書の立ち会いでは、依頼者が高齢者の場合が多く、家族も付き添いで緊張していることが多いです。こちらは「よくあるパターン」で進めようとしても、相手にとっては人生初の一大イベント。言葉ひとつひとつに重みがあり、こちらの意図どおりに進むとは限りません。

微妙な沈黙と空気の重さが続く

特に確認事項の段階で、微妙な沈黙が続く時間があると、空気がどんよりと重くなってきます。質問しても返事がなかったり、「ちょっと考えさせてください」と言われてしまうと、その時間がそのまま膠着状態になります。気まずいけれど待つしかない。沈黙に耐えるのも、仕事のうちとはいえ、やはりしんどい瞬間です。

30分を過ぎたあたりから心の声が漏れそうになる

30分、40分と経過する頃には、机の下でこっそり足を組み替えたり、背中を伸ばしたくなったりします。「あとどのくらいかかるのだろう」と思い始めたら、集中力は切れ始め、頭の中では他の業務のことが浮かんできます。けれども、その場ではただ静かに“いい人”を装っているだけ。地味につらい。

これって本当に必要なんですかと思いつつ

制度上は必要な手続きであり、誰かがやらねばならないこと。でも内心、「ここまで時間かけて、そこまで細かく調整しなきゃいけないのか」と思ってしまうのも本音です。形式的な部分にこだわりすぎて、現実との乖離を感じることも少なくありません。

時計を見る回数が増えてくる

ふと腕時計を見る。その瞬間、「まだこれしか経ってないのか」と思ってしまうと、時間の感覚がさらに遅くなって感じます。何度も時計を見るのもみっともないけど、気になってしまう。そんな自分に自己嫌悪すら覚えるようになると、いよいよメンタルが削れてきます。

立ち会いにおける司法書士の立場とは何なのか

私は司法書士として、あくまで“立会人”として現場にいるはずなのに、いつの間にか説明役や調整役、時にはカウンセラーのような役割まで担わされてしまいます。たしかに便利屋ではあるけれど、もう少し明確な線引きがあっても良いのではないかと感じることもあります。

あくまで立会人だが求められることはそれ以上

立ち会いの法的な役割は明確です。第三者としてその場にいて、公正証書がきちんと当事者の意思に基づいていることを確認すること。なのに、実際の現場では「この文言でいいんでしょうか?」とか、「こういう場合どうなりますか?」と質問攻めに遭うことが多く、実務上は半分コンサルティング状態になってしまいます。

弁護士と誤解されることも日常茶飯事

「先生は弁護士さんですよね?」と聞かれるたびに訂正はしますが、そのたびに「じゃあ、何が違うんですか?」と聞かれます。説明しても結局は「よくわからないけど法律の人ですよね」とまとめられてしまう。別に肩書きにこだわりはありませんが、誤解されたまま話が進むと、後々トラブルになりかねないので気を遣います。

説明役も進行役もこちら持ち

公証人が中心ではありますが、実際の進行は司法書士が引っ張ることが多いです。とくに相手が高齢だったり、法律に詳しくない方だったりすると、こちらがやわらかい言葉に変換して伝えることが求められます。それ自体は嫌ではないのですが、役割の幅が広すぎると、終わる頃にはぐったりしている自分がいます。

事務員に申し訳なさすぎてつらい

立ち会いで外出している間、事務所には事務員がひとりぽつんと残されています。うちのような小さな事務所では、誰かが抜けるとその分業務が一気に偏る。電話、来客、郵便物の受け取り、すべてをひとりで対応してもらっていることへの申し訳なさが、心のどこかでずっとのしかかっています。

一人で事務所を任せて出るストレス

「外で立ち会いをしている間、事務所は大丈夫だろうか」そんな不安を抱えながらも仕事を進めなければならない。信頼している事務員さんだからこそ余計に申し訳ない気持ちが強くなり、立ち会いに集中しきれない瞬間もあります。二人しかいない職場というのは、そういう意味でも精神的にしんどいものです。

郵便物は届くし電話も鳴る

立ち会いの最中にも「さっき郵便が届いたんですけど」とか「急ぎの電話がありました」とLINEで連絡が入ることがあります。こちらが動いている間にも、事務所は動いている。当たり前のことですが、それがひとりの肩にかかっているという現実は、何とも言えない罪悪感を生みます。

戻ると机の上に地獄が積まれている

立ち会いが終わって急いで事務所に戻ると、そこには未処理の書類や付箋だらけのデスクが待っています。「この件、急ぎです」「先生にすぐ確認してもらいたいことがあります」——はいはい、わかってます、でもちょっと待って。そんな気持ちを飲み込みながらまた座る椅子の重さに、独立した現実を痛感します。

しがない司法書士
shindo

地方の中規模都市で、こぢんまりと司法書士事務所を営んでいます。
日々、相続登記や不動産登記、会社設立手続きなど、
誰かの人生の節目にそっと関わる仕事をしています。

世間的には「先生」と呼ばれたりしますが、現実は書類と電話とプレッシャーに追われ、あっという間に終わる日々の連続。