司法書士だけど愚痴しか出てこない日もある
私は地方で司法書士事務所をひとりで営んでいる。いや、正確には事務員さんが一人いてくれるので、完全な一人ではない。でも、気持ち的にはひとりぼっちに感じる日がある。今日もまた、愚痴を書いている。仕事が嫌いなわけじゃない。依頼者の力になれることは誇りでもある。でも、正直に言えば、毎日が気力との戦いだ。愚痴ばかりこぼしている自分を情けなく思う瞬間もある。でも、そうでもしないと、やってられないのが本音だ。
仕事は山積みでも心は晴れない
朝一番に届く登記の依頼。相談の電話が鳴り止まない。メールの返信をしている最中に、次の来所予定が重なる。こなしてもこなしても、山のように積み重なるタスク。スケジュール帳を見て「よし、今週は少し楽だ」と思った瞬間に、相続の相談が3件立て続けに入り、すべて吹き飛んだ。司法書士は頭を使う職業だけど、物理的にも体力勝負だ。誰かに「大変だね」と言われることはあっても、「ありがとう」と言われることは少ない。正直、それが一番こたえる。
書類は減らないのに感謝は増えない
「この登記、急いでもらえますか?」そう頼まれて、夜中まで書類を確認して仕上げた。朝一番で提出し、無事に完了報告。だけどその後、相手から返ってきたのは「早かったですね」だけだった。いや、それも褒め言葉なのかもしれない。でも、たまには「助かりました」とか「本当にありがとう」と言ってほしい。いや、そうじゃない。ただ…ちょっとした言葉があれば、それだけで救われるのに。こちらが淡々として見えても、心の奥はいつも揺れてるんだ。
働いても働いても「ありがとう」は風のよう
昔、野球部で試合に負けた時、監督にこう言われた。「負けても応援は届いていた。だから胸を張れ」と。でも今の仕事には、応援なんて届かない。誰もスタンドから拍手を送ってくれないし、エラーをしても励ましてくれる人はいない。淡々と進む毎日の中で、自分で自分を励ますしかない。働いても、結果を出しても、誰かの心に届いているかどうか、それすらわからないのがつらい。ありがとうが聞きたくて頑張ってるわけじゃない。でも、聞けたら嬉しい。それが本音。
ひとり事務所という名の孤独な戦場
たとえばお昼時。事務員さんは外出中で、事務所には自分一人。ラーメンの出前を待ちながら、黙ってパソコンに向かう時間。無音の部屋でキーボードを叩く音だけが響く。そんなとき、ふと「これって何のためにやってるんだろう」と考えてしまう。司法書士の仕事は、他人の人生の節目に立ち会う責任ある仕事。でもその裏で、自分の人生は誰にも見られずに淡々と進んでいく。孤独に耐えられなければ、たぶん続けられない仕事だ。
雑務も営業も全部俺
営業も、広報も、掃除も、備品の発注も、すべて自分。SNS更新もしなきゃいけないし、相談フォームの不具合まで自分で直す羽目に。もちろん登記のチェックや面談の記録もある。事務員さんがやってくれていることは本当に大きい。でも、それでもまだやることは山のようにある。まるで一人野球をしているような気分。ピッチャーもキャッチャーもバッターも全部自分。そんなの無理に決まってる。でも、誰にも代わってもらえない。
電話応対中に届く謎のFAX地獄
一度に3つのことが起きる。電話中に相談者が来て、同時にFAXが鳴る。しかもそのFAX、よく見たら生命保険の勧誘だったりする。誰が番号流してるんだ。しかも2ページ目で紙が切れるオチ付き。冷静を装って対応するけど、心の中では「もう勘弁してくれ」と叫んでいる。こんな日常が毎日続く。カオス。でも、それでも辞められない。辞めたらもっと寂しくなる気がするから。
事務員さんがいてくれるだけで救われてる
事務員さんがひとりいる。彼女がいなければ、たぶん今頃は廃業していたと思う。細かいミスにも気づいてくれるし、ちょっとした冗談にも笑ってくれる。ありがたい。でも、だからこそ気を遣う。頼りすぎたくない。辞められたら困る。だから「無理させてないかな」っていつも不安になる。職場の人間関係って、信頼と不安が隣り合わせだ。
でも頼りすぎて逆に気を遣う
ちょっと忙しい日が続くと「これお願いしていいかな?」って声をかけるのも申し訳なくなる。顔色を伺いながら仕事をお願いして、内心ビクビクしてる。まるで恋愛初期の彼氏のような気分。「断られたらどうしよう」って不安になる。いや、ただの業務連絡なのに。そんな自分も面倒くさい。でも、それだけ人間関係に気を使うって、悪いことじゃないと思いたい。
「もう辞めないでね」が口癖になる日々
ふとしたタイミングで「ずっとここで働いてほしいな」って言ってしまうことがある。重いって思われたらどうしよう。でも本音なんだ。替えが利かない人って、そうそういない。だからこそ、辞められたら終わるって思ってしまう。この小さな事務所がなんとか回っているのは、たったひとりの存在に支えられているから。それがリアルな現実。