shindo

出会いの履歴は法務局では確認できませんでした

出会いの履歴は法務局では確認できませんでした 出会いの履歴を探しに法務局へ行った男の話 「おかしいな……」 僕は昔の写真を見つめながら唸っていた。色あせたその写真には、見覚えのある女性と、過去の自分。なぜ彼女の名前を忘れてしまったのか、それ...

書類は片付いたけれど心は今日も散らかったまま

書類は片付いたけれど心は今日も散らかったまま 書類は片付いたけれど心は今日も散らかったまま 朝のデスクは整っていた 朝8時、事務所の引き戸を開けると、冷んやりした空気と、静かすぎる空間が出迎えた。 昨日の夜、残業の末に片付けきった書類棚。登...

老後設計が一番遅れている司法書士

老後設計が一番遅れている司法書士 老後設計が一番遅れている司法書士 老後を語る資格があるのかと自問する日々 登記の相談はプロだけど 自分の将来に関しては無計画の極み 他人の老後に口を出しすぎたツケ 「老後のご不安、よく分かりますよ」と僕は言...

法定相続いつも思うよ家ってほんと複雑

法定相続いつも思うよ家ってほんと複雑 法定相続と聞くだけで胃が重くなる 司法書士として仕事をしていると、「法定相続」という言葉に出会わない日はほとんどありません。けれども、この言葉を聞くたび、なんとも言えない重苦しさを感じます。仕事として淡...

誕生日に誰からもLINEが来なかった日僕はただコーヒーを淹れた

誕生日に誰からもLINEが来なかった日僕はただコーヒーを淹れた 誕生日の朝通知ゼロから始まる一日 スマホを開いた瞬間、画面は静まり返っていた。カレンダーには自分の誕生日が確かに表示されているのに、LINEもメールも通知は一切なし。これまでに...

事務所に春は来るのか花は咲くのか

事務所に春は来るのか花は咲くのか まだ寒い事務所の空気 暦の上では春だというのに、事務所の中にはまだ冬が居座っているような気がしてならない。地方の片隅にあるこの司法書士事務所には、派手な来客もなく、目立つ業績もない。朝出勤して、パソコンのス...

スーツを着るたび心がすり減っていく朝に

スーツを着るたび心がすり減っていく朝に 朝のルーティンがもう希望に見えない 目覚ましが鳴って、無意識にスーツに袖を通す。かつてはその行為に一日のスイッチを入れる意味があったが、今ではただの作業になってしまった。歯を磨き、髭を剃り、Yシャツに...

登記のことなら任せてほしいでも恋はずっと初心者

登記のことなら任せてほしいでも恋はずっと初心者 登記なら即答できるのに恋の返事はいつも後回し 司法書士としてのキャリアは20年。登記の相談を受ければ、答えに詰まることはまずありません。「それなら乙区に記載されてますよ」「ここは共有名義なので...

恋人いないのかと聞かれて返事に詰まった日

恋人いないのかと聞かれて返事に詰まった日 恋人いないのかと聞かれた瞬間に胸の奥がざわついた 「恋人いないんですか?」という、たった一言。その日も、仕事終わりの飲み会で同席した司法書士仲間の奥さんに軽く聞かれただけだった。でも、その瞬間、心の...

帰っていいのに帰りたくない夜のこと

帰っていいのに帰りたくない夜のこと 帰れるはずの喜びが重くのしかかる夜 定時で終わった仕事、今日は珍しく残業もなし。事務員さんが気を利かせて「もう帰っていいですよ」と声をかけてくれた。でもその瞬間、心の奥にモヤっとしたものが沈んだ。帰ってい...

連絡先リストに並ぶ名前がやけに遠く見える日

連絡先リストに並ぶ名前がやけに遠く見える日 スマホを開いてもつながらない日がある 仕事の合間、ふとスマホを開いて連絡先リストを眺めることがある。特に用事があるわけでもなく、ただ誰かに話したい気分だけが胸の内を占めているとき。なのに、その「誰...

それおひとりでって聞かれた日がちょっとしんどい

それおひとりでって聞かれた日がちょっとしんどい ひとりの自由が好きだったはずなのに 昔は「ひとり行動」が得意なほうだった。映画もひとり、ラーメン屋もひとり、旅館も平気でひとり泊まり。むしろ誰かに気を使うことがないぶん、気楽でいいと思っていた...

たまには誰かに甘えたくなる夜がある

たまには誰かに甘えたくなる夜がある 強がっているのがバレないように生きている 「先生はしっかりしてますね」と言われるたび、心のどこかで笑ってしまう。しっかりして見えるだけだ。毎日、気を張って生きているだけ。地方の司法書士として、たった一人で...

このまま続けていていいのかと思った日

このまま続けていていいのかと思った日 朝起きて最初に浮かんだ言葉がこのままでいいのかだった 目が覚めて、時計を見るとまだ6時台。枕元にあるスマホに手を伸ばして、未読メールの数にげんなりする。ああ、今日もまた何件も登記の相談が入ってるなと思う...

結婚してない理由登記簿と向き合う日々に愛を奪われて

結婚してない理由登記簿と向き合う日々に愛を奪われて 登記簿と結婚生活どちらが本命かと聞かれたら 地方で司法書士をしていると、「結婚はまだ?」と聞かれることが珍しくない。でもそのたびに、答えに詰まってしまう。別に結婚を否定しているわけじゃない...