今日も書類とだけ会話した

今日も書類とだけ会話した 今日も書類とだけ会話した 司法書士の仕事は会話よりも記録との対話が多い この仕事に就いてからというもの、気づけば「声」を出さない日が増えた。パソコンのキーボードを叩く音と、時折プリンターから吐き出される紙の音だけが...

焦りはあるけど動けない日の話

焦りはあるけど動けない日の話 朝の支度が終わったのに動けない 朝、身支度を整えて、机に向かう。そこまではいつも通りなのに、なぜかパソコンの電源を入れる手が止まってしまう日がある。メールを開く気にもなれず、ぼんやりと机の上の書類を見つめている...

誕生日より先に登記の締切を思い出す日が来た

誕生日より先に登記の締切を思い出す日が来た 気づけば誕生日より先に締切が頭に浮かぶ 朝、目覚めてぼんやりと天井を見つめていたら、ふと「あれ、今日って登記の締切だっけ」と思った。次の瞬間、それよりも先に思い出すべきだったはずの「自分の誕生日」...

地元の友達がだんだん他人に見えてきた日

地元の友達がだんだん他人に見えてきた日 地元という言葉に感じる重さと懐かしさ 「地元」と聞いて思い浮かぶのは、駅前の商店街だったり、校庭の隅っこで時間を潰していた放課後だったりする。あの頃は何も考えず、地元の仲間とただ笑っていた。気を遣う必...

今日の晩ごはんパンだけだった日常の重み

今日の晩ごはんパンだけだった日常の重み パンだけの晩ごはんが心に刺さる夜 今日の晩ごはんは、パンだけだった。スーパーの片隅で見切り品の袋パンを手に取って、レジを済ませたそのとき、「ああ、またか」と心のどこかがため息をついた。栄養バランスとか...

年賀状の宛先が減るたびに感じる静かな喪失

年賀状の宛先が減るたびに感じる静かな喪失 年賀状の宛先が減るたびに感じる静かな喪失 年賀状の束が薄くなるたびに心がざわつく 年が明けるたびに、昔はもっと分厚かった年賀状の束が、今では郵便受けの底に寂しく貼り付いているような薄さになっている。...

自分らしくなんて分からない日々を生きている

自分らしくなんて分からない日々を生きている 自分らしくって何だろうと考える朝 「自分らしく生きたい」なんて、よく聞くけど、じゃあ自分らしさってなんなんだろうなって、朝の歯磨き中にぼんやり考えたりする。寝癖のままの髪、くたびれたスーツ、曇った...

うまく話せなくなった自分に気づいた日

うまく話せなくなった自分に気づいた日 言葉が出てこない瞬間に気づいた日常の違和感 つい最近まで、何気ない雑談も苦じゃなかったはずなのに、ふとした会話で言葉が詰まることが増えてきた。話そうと思っても口が開かない。頭の中では言いたいことが渦巻い...

独身のままでいる理由が年々うまくなってきた気がする

独身のままでいる理由が年々うまくなってきた気がする 独身歴も増えたが言い訳のレパートリーも増えた 気づけば独身歴も20年選手。あの頃は「そのうち結婚するつもりだったんです」と言っていたけれど、今では「この生活も悪くないですよ」と笑ってごまか...

今日もコンビニ弁当と誰にも話さない昼休み

今日もコンビニ弁当と誰にも話さない昼休み 昼休みがただの空腹を満たす時間になった日 気づけば昼休みが「空腹を埋めるだけの時間」になっていた。あれこれ悩む余裕もなく、時計の針が12時を指せば無意識に立ち上がり、コンビニへ向かう。何を買うかはす...

登記が終わっても心が終わらない日

登記が終わっても心が終わらない日 登記完了の瞬間に訪れる空虚 「はい、これで登記は完了です」と言って書類を渡すその瞬間。依頼者はほっとした顔でうなずき、時に笑顔で「ありがとうございました」と頭を下げてくれる。なのに、私はといえば、なんだか心...

司法書士だけど愚痴しか出てこない日もある

司法書士だけど愚痴しか出てこない日もある 司法書士だけど愚痴しか出てこない日もある 私は地方で司法書士事務所をひとりで営んでいる。いや、正確には事務員さんが一人いてくれるので、完全な一人ではない。でも、気持ち的にはひとりぼっちに感じる日があ...

やっと来たと思ったら印鑑証明は別の人だった

やっと来たと思ったら印鑑証明は別の人だった 封筒が届いた瞬間の高揚感と不安の交差点 ああ、やっと届いたか。そんな安堵の息が漏れたのは、郵便受けに見覚えのある封筒を見つけた時だった。ずっと待っていた印鑑証明。申請から数日、心のどこかで「そろそ...

人生設計より登記計画が優先される毎日

人生設計より登記計画が優先される毎日 人生の計画はどこへ行ったのか 気がつけば、人生設計なんて言葉を最後に使ったのはいつだったか思い出せない。高校球児だった頃は、30歳で結婚して、35歳で家を建てて……なんて、ざっくりでも未来を描いていたは...

ここは事務所か俺の家か曖昧になってきた話

ここは事務所か俺の家か曖昧になってきた話 ここは事務所か俺の家か曖昧になってきた話 朝起きたら事務所だった日があった 司法書士として日々忙しく働いていると、いつの間にか「事務所で仮眠」が「事務所で就寝」に変わっていた。ある朝、カーテンの隙間...