返事を待っても誰もいない昼下がり

返事を待っても誰もいない昼下がり 返事を期待した自分が恥ずかしくなる瞬間 気づけば、誰にともなく「よし終わった」とつぶやいていた。けれども、事務所には自分しかいない。事務員は外回り中で、返事が返ってくるはずもない。なのに、どこかで「うん」く...

誰かの一言で救われる日を待っている

誰かの一言で救われる日を待っている 誰かの一言で救われる日を待っている 司法書士として働いていると、どうしても人に頼ることが難しくなる。「先生」と呼ばれる仕事柄、こちらが弱音を吐く場面なんてあってはならないような雰囲気がある。だけど、そんな...

急ぎますって言われた書類がずっと止まってる件

急ぎますって言われた書類がずっと止まってる件 急ぎますって言われた書類が止まっている現実 「急ぎますので、よろしくお願いします!」そう言われて受け取った書類が、こちらの机の上でひっそり眠っている。処理はもう済んでいる。でも、依頼者からの返事...

眠る前に誰かを思い出す夜のこと

眠る前に誰かを思い出す夜のこと 静かすぎる夜が問いかけてくるもの 夜になると事務所の喧騒が消えて、やっと一息つけるはずなのに、妙に落ち着かない。テレビもつけず、スマホも触らず、ただ布団に横たわると、不意に心のどこかがざわつく。昼間は「忙しい...

封筒が山になるだけの一日が終わる

封筒が山になるだけの一日が終わる 山積みの封筒と静かな夕方 仕事が終わる頃には、机の端にそびえ立つ封筒の山ができている。書類の確認、署名、押印、投函準備。ひとつひとつ丁寧に処理した結果なのだが、誰かに評価されることもなく、褒められることもな...

相続を扱うたびに僕の未来が透けて見える

相続を扱うたびに僕の未来が透けて見える 相続の書類を前にしてふと手が止まる瞬間 日常的に相続登記の案件を扱っていると、ふとした瞬間に手が止まることがある。依頼者の名前や被相続人の生年月日を見て、どこか他人事ではなくなる感覚。年齢も近く、自分...

冷蔵庫より心が空っぽだった夜に思うこと

冷蔵庫より心が空っぽだった夜に思うこと 何も入っていない冷蔵庫を開けたときのあの感じ 仕事がひと段落して、夜も遅くなってから帰宅する日が続いている。疲れ果てて帰ってきて、何か食べようと冷蔵庫を開けた瞬間、そこにはペットボトルの水と賞味期限切...

笑い方を忘れたような日々の中で

笑い方を忘れたような日々の中で 笑うことを忘れた日常に気づいた瞬間 ある日ふと、鏡に映った自分の顔を見てギョッとした。「あれ、こんな顔してたっけ?」と。眉間にシワが寄っていて、口元は下がっている。別に怒っているわけでも、泣いているわけでもな...

話せないことばかりが積もっていく日々に

話せないことばかりが積もっていく日々に 相談できないことが増えていく理由 日々の仕事をこなすうちに、ふと気づくと「誰にも話せないこと」がどんどん積もっていく感覚に陥ることがある。特に司法書士という仕事は、日常的に人の問題や秘密に関わるぶん、...

そのままでいいんですよって言われたい夜

そのままでいいんですよって言われたい夜 言われたことがない言葉ほど欲しくなる 「そのままでいいんですよ」。この言葉、人生で誰かから面と向かって言われた記憶がありません。逆に「もっと頑張れ」「もっと気を利かせろ」「もっと効率的に」みたいな指摘...

温もりを思い出すたびに心がぎゅっとなる朝

温もりを思い出すたびに心がぎゅっとなる朝 誰かの温もりが残るこの部屋で 朝、目覚めた瞬間に感じる静寂。その中に、ふと誰かの気配を感じることがある。実際には誰もいない。でも、そこに確かにあった「温もり」の記憶が、空気に残っているような気がする...

ドラマみたいな毎日なんてこない

ドラマみたいな毎日なんてこない 華やかさとは無縁の一日が始まる 朝、カーテンを開けても特別な光が差し込むわけでもなく、スマホの通知も広告とニュースだけ。今日もまた、同じような一日が始まる。司法書士の仕事は「人の人生に寄り添う仕事」と言えば聞...

登記は完了するのに恋は未了のまま

登記は完了するのに恋は未了のまま 登記なら計算通りに終わるのに 司法書士という仕事をしていると、日々「予定通り」に物事が進むことの安心感に救われている自分に気づく。登記は必要な書類を揃え、期限を守れば、ちゃんと結果が返ってくる。法務局の職員...

恋よりも先に仕事が待っていた僕の話

恋よりも先に仕事が待っていた僕の話 書類に追われる日々が恋を押しのけた 仕事ができない時期があった自分が、ようやく事務所をまわすようになった。けれど、そんな日常が安定するほどに、恋愛の優先順位はどんどん下がっていった。誰かと会う余裕もなく、...

連絡先教えてもらっていいですかと言われてもそれ仕事の話ばかり

連絡先教えてもらっていいですかと言われてもそれ仕事の話ばかり 連絡先教えてもらっていいですかと言われてもそれ仕事の話ばかり 連絡先を聞かれる瞬間にときめかなくなった 「連絡先教えてもらっていいですか?」という言葉に、かつてはちょっとドキッと...