鏡に映る自分がいちばん本音を知っている

鏡に映る自分がいちばん本音を知っている 朝の洗面所で立ち止まる理由 毎朝、顔を洗うために洗面所に立つ。それはただの日課のはずなのに、ある朝ふと鏡を見た瞬間、何とも言えない重たい気持ちが込み上げた。髪は乱れ、目の下にはクマ、頬は少しやつれて見...

ひとりで平気と聞かれて黙った日

ひとりで平気と聞かれて黙った日 平気のふりが板についた頃に 「ひとりで平気でしょ」と言われることが増えてきたのは、たぶんここ数年の話だ。自分でもそう思われるように、無意識のうちに振る舞ってきたのかもしれない。司法書士という職業柄、黙々と書類...

楽しそうな同業者を見るたびに自分が嫌になる

楽しそうな同業者を見るたびに自分が嫌になる あの笑顔の裏側をつい想像してしまう自分がいる 事務所で黙々と書類を作っていた昼休み、なんとなく開いたSNSのタイムラインに、同業者が楽しそうにランチ会をしている写真が流れてきた。スーツ姿で笑い合う...

電話が怖いと気付いた日

電話が怖いと気付いた日 電話が怖いと気付いた日 電話対応がいちばん神経を削る理由 司法書士という職業柄、電話は避けて通れません。けれど、この「電話」というツールが、実は私にとって一番のストレス源だと気付いたのは、開業して数年経ってからのこと...

夢を見なくなったのはいつからだろうか

夢を見なくなったのはいつからだろうか 夢を見なくなったのはいつからだろうか 気づけば夢を口にしなくなっていた 夢って、若い頃はよく語っていた気がするんです。「将来は何になりたい?」なんて、友達と居酒屋で語ったり、夜中にこっそりノートに書いた...

全部言ったはずなのに忘れられてたときの心が折れる音

全部言ったはずなのに忘れられてたときの心が折れる音 説明しても伝わらない日々に疲れて 司法書士という仕事は、淡々とした事務作業のように見えて、実は言葉のやり取りに神経を使う職業だ。依頼人には法律用語をかみ砕いて丁寧に伝え、役所には正確かつ誤...

本当はもっと自由に生きたかったけれど

本当はもっと自由に生きたかったけれど 自由を選ばなかったのは誰だったのか 資格を取れば安定する、そんな言葉に背中を押された20代。周囲は公務員や大企業を目指していたが、私はどこかひねくれていて、自分の道を切り開きたいという思いがあった。司法...

説明してたら何の話だったか分からなくなった日

説明してたら何の話だったか分からなくなった日 その日は普通に始まった 朝の机に座って、いつものようにコーヒーを淹れる。豆の香りに癒されながら、今日も淡々と業務をこなす日になる…はずだった。地方の司法書士事務所、派手さはないけれど責任は重い。...

心の声を無視して走り続けた結果がこれです

心の声を無視して走り続けた結果がこれです 心の声を無視して走り続けた結果がこれです 忙しさがすべてを飲み込む 気づいたときには、1週間の予定がすべて埋まっていました。月曜から土曜まで相談と登記と調整、日曜は疲れすぎて動けない。それが今の僕の...

何年やっても慣れないのは人との別れの瞬間

何年やっても慣れないのは人との別れの瞬間 人と別れる瞬間だけは慣れない 司法書士の仕事をしていると、出会いも多いが、それと同じだけ別れも多い。特に個人相手の仕事が多いと、相続や不動産の登記を通じて深い関係になることも少なくない。それでも、「...

大丈夫ですばかり言っていたら本当に大丈夫じゃなくなった話

大丈夫ですばかり言っていたら本当に大丈夫じゃなくなった話 大丈夫ですを言いすぎた司法書士の日常 「大丈夫です」――これはたぶん、私が一日に一番多く発する言葉かもしれません。依頼人との会話、事務員とのやりとり、役所での手続き、どんなときもとり...

プリンターに話しかけるのが日課になった日々

プリンターに話しかけるのが日課になった日々 プリンターに話しかけるのが日課になった日々 「今日もお疲れさま」と声をかける相手がプリンターしかいない。そんな日が続くとは、若い頃には想像もしなかった。地方の司法書士事務所を一人で切り盛りしている...

間違って届いた封筒がまさかの修羅場を呼んだ日

間違って届いた封筒がまさかの修羅場を呼んだ日 あの日 ポストに違和感があった 朝一番、いつものように事務所のポストを確認した時だった。茶封筒が一通、差出人不明、宛名もどこか不自然で、うちの事務所名の漢字が一文字違っていた。たまにあるパターン...

深夜のコンビニで急ぎの書類をスキャンして気づいたこと

深夜のコンビニで急ぎの書類をスキャンして気づいたこと 急ぎの書類と深夜のコンビニ 夜の10時を過ぎていた。そろそろ風呂にでも入って寝る準備をしようかという時間に、スマホが鳴った。依頼人からのLINE。「すみません、明日の朝一で先方に提出する...

補正地獄を生き延びる方法それでも僕らは申請書を直し続ける

補正地獄を生き延びる方法それでも僕らは申請書を直し続ける そもそも補正って何なのか 補正とは、司法書士が法務局に提出した申請書類の内容に不備や誤記があった場合に、法務局からの指摘に基づいて修正を求められるものだ。字面で見るとただの「直し」に...